研究課題/領域番号 |
15019017
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研究種目 |
特定領域研究
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
生物系
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研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
山本 友子 千葉大学, 大学院・薬学研究院, 教授 (60110342)
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研究分担者 |
高屋 明子 千葉大学, 大学院・薬学研究院, 助手 (80334217)
友安 俊文 千葉大学, 大学院・薬学研究院, 助教授 (20323404)
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研究期間 (年度) |
2003
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研究課題ステータス |
完了 (2003年度)
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配分額 *注記 |
4,500千円 (直接経費: 4,500千円)
2003年度: 4,500千円 (直接経費: 4,500千円)
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キーワード | サルモネラ / マクロファージ / アポトーシス / Lon / 細胞内寄生菌 / 病原性 |
研究概要 |
サルモネラ病原戦略分子機構の全面解明を目的として、感染後のマクロファージアポトーシス誘発に関して研究し、その制御機構を以卞のように明らかにした。サルモネラがマクロファージに貪食後に誘発する蛋白質Macrophage Induced Protein (MIP)メンバーであるATP依存型プロテアーゼLonのノックアウト変異株(Lon mutant)は、マクロファージ内増殖能、を失い、マウスに弱毒化している。マクロファージ培養細胞RAW264.7に野生株あるいはLon mutantを感染させた後に、TUNEL染色後の共焦点顕微鏡観察、ELISAによるヒストン量の定量、AnnexinV標識後のフローサイトメーター解析により、マクロファージのアポトーシス誘導を検討したところ、Lon mutant感染細胞において高頻度にアポトーシスが誘発されていることが明らかとなった。さらにLon mutantによるアポトーシス誘導には、Caspase-1、Caspase-3が関与していることが明らかとなった。Lon mutantの高頻度アポトーシス誘導は、上皮細胞侵入に関わるSalmonella Pathogenicity Island (SPI)の高発現に起因することを明らかにした。LonによるSPI1発現制御機構を検討したところ、LonはSPI1レギュロンの最上位に位置する制御因子HilC,HilDのターンオーバーを介してレギュロン全体の負の制御因子として機能していることが明らかとなった。サルモネラはマクロファージに貪食されると直ちにSPI1の発現を低下させ自らの住処が過剰なアポトーシスに陥るのを防いでいるが、Lon mutantでは正常な抑制機構が働かずSPI1を連続的に発現させ、過剰なアポトーシズの誘導を引き起こした。このマクロファージアポトーシスの過剰誘導は、Lon mutantの弱毒化の一因であると考えることができる。サルモネラは、感染宿主のマクロファージ内で増殖後、適切な時期にマクロファージにアポトーシスを誘導して感染を拡大すると考えられるが、LonはSPI1発現とアポトーシスを制御することにより、サルモネラ病原戦略上、重要な役割を果たしていると言える。
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