研究課題/領域番号 |
15019047
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研究種目 |
特定領域研究
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
生物系
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
片貝 智哉 京都大学, 遺伝子実験施設, 助手 (00324682)
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研究期間 (年度) |
2003
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研究課題ステータス |
完了 (2003年度)
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配分額 *注記 |
3,300千円 (直接経費: 3,300千円)
2003年度: 3,300千円 (直接経費: 3,300千円)
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キーワード | 二次リンパ組織 / ストローマ細胞 / ケモカイン / 細胞遊走 / 細胞接着 |
研究概要 |
マウスリンパ節付着性細胞の長期間培養により、ER-TR7、gp38、VCAM-1といった細網線維芽細胞の分子マーカーをいくつか発現する間質系細胞株を複数樹立した(BLS細胞)。これらの細胞は、リンパ球との共培養によりin vitroにおいて細網ネットワーク様構造を形成することを見い出し、リンパ節細網線維芽細胞、ストローマ細胞の性質や機能を調べる上で有用な材料になり得ると考えられる。この細胞の培養上清はT細胞に対して細胞遊走を誘導し、TNF-α等の炎症性サイトカイン刺激によりその活性は増強された。また、この活性はケモカインシグナルを阻害する百日咳毒素により顕著に減弱することから、BLS細胞が産生するケモカインの関与が示唆された。そこで、様々なケモカインの発現を検討したところ、いくつかの興味深いケモカインの発現が認められた。その一つに膜型ケモカインCXCL16があり,TNF-α刺激により顕著に発現が増加した。培養上清中には可溶型CXCL16が検出され、マトリクス・メタロプロテアーゼ阻害剤により抑制されることから、メタロプロテアーゼによる細胞外の切断による産生機構が示唆された。また、CD8陽性T細胞をIL-12存在下で抗原刺激を行うと、CXCL16の特異的受容体CXCR6が劇的に発現誘導されることを見い出した。IL-12刺激CD8陽性T細胞は組み換え型CXCL16に対して遊走能を示し、TNF-α刺激BLS細胞に対する接着は抗CXCL16抗体により顕著に抑制された。したがって、実際のリンパ節内においても細網線維芽細胞が産生するCXCL16免疫応答制御に関与していることが示唆される。
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