研究課題/領域番号 |
15019050
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研究種目 |
特定領域研究
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
生物系
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
杉本 幸彦 京都大学, 薬学研究科, 助教授 (80243038)
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研究分担者 |
田中 智之 京都大学, 薬学研究科, 助手 (40303846)
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研究期間 (年度) |
2003
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研究課題ステータス |
完了 (2003年度)
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配分額 *注記 |
5,200千円 (直接経費: 5,200千円)
2003年度: 5,200千円 (直接経費: 5,200千円)
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キーワード | プロスタグランジン / EPサブタイプ / 発熱 / HIV / 腹膜炎 / 顆粒球コロニー刺激因子 / 好中球欠乏症 / 非ステロイド性抗炎症薬 |
研究概要 |
感染の宿主応答におけるプロスタノイドの生理的役割とその分子機構を明らかにすることを目的として、プロスタノイド受容体欠損マウスを駆使して解析を行い、以下の知見を得た。 (1)感染時の宿主応答(発熱・疼痛におけるEP3の役割) EP3欠損マウスは、リポポリサッカライド投与による一過性の体温上昇を示さないことを示していたが、今回さらに松ヤニによる持続的な発熱を解析したがやはりEP3欠損マウスは発熱応答を示さず、体温の日内変動には大きな差は見られなかった。従って、PGE2は感染時に見られる発熱に特異的に働くものと考えられた。一方、HIV-1に感染すると、ウィルスの産生する糖タンパク質gp120の脊髄内への侵入によりアロディニアが引き起こされるが、EP3欠損マウスは、gp120投与によるアロディニア応答を全く示さず、脊髄レベルにおいてオピオイドによる痛覚修飾に関与していることが示唆された。 (2)腹膜炎とEP2受容体 マウスにカゼインを投与した腹膜炎では、腹腔内に好中球が遊走し、一定時間の間、細胞数が維持される。この際、好中球数、腹腔内PGE2レベルと顆粒球コロニー刺激因子(G-CSF)レベルは良く相関したことから、腹腔に浸潤した好中球がPGE2の働きでG-CSF産生を亢進している可能性が考えられた。PGE受容体(EP)サブタイプ選択的なアゴニストならびにEP欠損マウスを用いた解析の結果、PGE2は好中球のEP2受容体に作用してcAMP上昇させ、G-CSFの遺伝子発現の亢進を引き起こすことを見出した。
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