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感染防御、炎症誘導に関わるマクロァージの活性制御機構

研究課題

研究課題/領域番号 15019053
研究種目

特定領域研究

配分区分補助金
審査区分 生物系
研究機関九州大学

研究代表者

竹田 潔  九州大学, 生体防御医学研究所, 教授 (20309446)

研究期間 (年度) 2003
研究課題ステータス 完了 (2003年度)
配分額 *注記
5,200千円 (直接経費: 5,200千円)
2003年度: 5,200千円 (直接経費: 5,200千円)
キーワードマクロファージ / IL-10 / STAT3 / 慢性腸炎 / ノックアウトマウス / サイトカイン
研究概要

これまでにSTAT3をマクロファージで特異的に欠失させたマウスを作製し、STAT3がマクロファージでのIL-10シグナルに必須であり、マクロファージの機能抑制、さらには生体レベルで慢性炎症の抑制に必須であることを明らかにした。そして、STAT3変異マウスとSTAT1,TNF-α,IL-12,RAG2の各遺伝子欠損マウスとの二重変異マウスを作製し、その病態の変化を解析することにより、慢性腸炎の発症にはマクロファージ系細胞からの異常なIL-12産生が、強力なTh1反応を生体レベルで誘導することが大きな要因であることを生体レベルで明らかにしてきた。さらに、病原体構成成分を認識するToll-like receptor(TLR)ファミリーが、STAT3非存在下でマクロファージの異常活性化による慢性腸炎の発症のトリガーとなりことを、TLR4/STAT3二重変異マウスの解析により明らかにした。転写因子として作用するSTAT3の非存在下では、マクロファージはIL-10のシグナルが障害された結果、異常活性化に陥ることから、正常マクロファージではIL-10刺激によるSTAT3の活性化を通じ、何らかの炎症抑制に関わる遺伝子が誘導されてくることが予想された。そこで、IL-10刺激によりマクロファージで誘導される遺伝子を、DNAマイクロアレイを用いて検索した。その結果、マクロファージにおけるIL-10誘導性遺伝子としていくつかの遺伝子を同定した。これらの遺伝子を、マクロファージ系細胞株にレンチウイルスシステムを用いて導入した。その結果、IκBファミリーに属するBcl-3を導入した細胞では、リポ多糖刺激によるTNF-α産生が顕著に抑制されることを見出した。Bcl-3を導入した細胞では、IL-10で前処置したマクロファージと同様に、NF-κBのDNA結合能が障害されていた。Bcl-3ノックアウトマウス由来のマクロファージでは、IL-10前処置によるTNF-α産生の抑制が部分的に障害されていた。以上の結果から、IL-10で誘導されるBcl-3がマクロファ-ジ系細胞において、TNF-α産生の抑制に関与していることが明らかになった。

報告書

(1件)
  • 2003 実績報告書
  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] Kobayashi, M., et al.: "Toll-like receptor-dependent IL-12p40 production causes chronic enterocolitis in myeloid cell-specific Stat3-deficient mice."J.Clin.Invest.. 111. 1297-1308 (2003)

    • 関連する報告書
      2003 実績報告書
  • [文献書誌] Yamamoto, M., et al.: "Role of adaptor TRIF in the MyD88-independent Toll-like receptor signaling pathway."Science. 301. 640-643 (2003)

    • 関連する報告書
      2003 実績報告書
  • [文献書誌] Yamamoto, M., et al.: "TRAM is specifically involved in the TLR4-mediated MyD88-independent signaling pathway."Nat.Immunol.. 4. 1144-1150 (2003)

    • 関連する報告書
      2003 実績報告書
  • [文献書誌] Kuwata, H., et al.: "IL-10-inducible Bcl-3 negatively regulates LPS-induced TNF-α production in macrophages."Blood. 102. 4123-4129 (2003)

    • 関連する報告書
      2003 実績報告書
  • [文献書誌] Matsukawa, A., et al.: "Aberrant inflammation and lethality to septic peritonitis in mice lacking Stat3 in macrophages and neutrophils."J.Immunol.. 171. 6198-6205 (2003)

    • 関連する報告書
      2003 実績報告書
  • [文献書誌] Hokuto, I.et al.: "Stat-3 is required for pulmonary homeostasis during hyperoxia."J.Clin.Invest.. 113. 28-37 (2003)

    • 関連する報告書
      2003 実績報告書

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公開日: 2003-04-01   更新日: 2018-03-28  

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