研究課題/領域番号 |
15019096
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研究種目 |
特定領域研究
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
生物系
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研究機関 | 大阪市立大学 |
研究代表者 |
宮田 真人 大阪市立大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (50209912)
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研究期間 (年度) |
2003
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研究課題ステータス |
完了 (2003年度)
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配分額 *注記 |
5,200千円 (直接経費: 5,200千円)
2003年度: 5,200千円 (直接経費: 5,200千円)
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キーワード | マイコプラズマ / 滑走運動 / 細胞接着 / 分子構造 / 結合力 / モータータンパク質 / 電子顕微鏡観察 / 接着タンパク質 |
研究概要 |
ヒト異型肺炎の原因の大半を占めるマイコプラズマ(Mycoplasma pneumonie)は、細胞壁を欠いているが菌体はフラスコ型で、片方の極に接着滑走器官が形成される。マイコプラズマはこの器官で、ヒトの気管上皮細胞に接着し、さらにはりついたまま滑るように動く。滑走と呼ばれるこの運動の速さは、M. pneumonieでは毎秒0.3-0.5マイクロメートルで、淡水魚の鰓にネクローシスを起こすM. mobileでは毎秒1.5-4.5マイクロメートルである。この運動のメカニズムは、現在の生物学では説明できない。またガラスなど、接着相手の表面構造を問わずに結合する仕組みも謎である。 本研究では、滑走運動と接着を担う装置とその構成分子の構造、さらには滑走と接着の分子メカニズムを明らかにすることを目的に研究を行い、以下のことを明らかにした。(1)M. mobileの接着タンパク質であるGli349の分子内マッピングを行い、タンパク質分解酵素にセンシティブな部位、接着できない変異株で変異の入っている部位、抗体が結合する部位、に関して位置を決定した。(2)Gli349分子を単離、精製してその分子構造を電子顕微鏡で観察した。Gli349は115ナノメートルの棒状の分子で3つの折れ曲がり点を持っていた。そのうち1つは固定角を、2つは自由角を有していた。(3)抗Gli349抗体が結合しても滑走が阻害されない変異株を取得し解析した。その変異は全てGli521に導入されていることが明らかになった。(4)いろんな固形物表面へのマイコプラズマの結合とそれぞれの表面における物理パラメーターを測定した結果、固形物表面の負電荷が結合に必須であることが明らかになった。
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