研究課題/領域番号 |
15019119
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研究種目 |
特定領域研究
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
生物系
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研究機関 | 国立感染症研究所 |
研究代表者 |
加藤 篤 国立感染症研究所, ウイルス第3部, 室長 (40152699)
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研究期間 (年度) |
2003
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研究課題ステータス |
完了 (2003年度)
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配分額 *注記 |
4,600千円 (直接経費: 4,600千円)
2003年度: 4,600千円 (直接経費: 4,600千円)
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キーワード | センダイウイルス / パラミクソウイルス / C蛋白質 / インターフェロン / シグナル伝達 / 自然免疫 |
研究概要 |
センダイウイルスのP遺伝子から同じ読み枠を使ってC蛋白質として総称される、翻訳開始点を異にする4つのC'、C、Y1、Y2蛋白質が産生される。今までの研究から、C、Y1、Y2蛋白質には、いずれも単独でインターフェロンによる抗ウイルス作用の発動を抑制する能力があり、それはC'、C、Y1、Y2蛋白質すべてに共通のC蛋白質のカルボキシル末端側半分の100アミノ酸部分にある事が明らかになっている。そこで、さらに細かく調べる目的でC蛋白質の荷電アミノ酸をアラニンに置換したいくつかの置換変異体を作成した。その結果、161/163/164の変異体で抗IFN能が失われていたが、近傍の167あるいは173/175/176置換体では抗IFN能が保持されており、非常に限られたアミノ酸が抗IFN能発動に関与していることが明らかになった。作用機構としてIFNのシグナル伝達を担うSTAT1とC蛋白質が強固に結合し、その結果、STAT1の核への移行が阻害されると言う仮説が唱えられており、実際、抗インターフェロン能を失った161/163/164の変異体は、STAT1との結合能を消失している。ところが、抗インターフェロン能を保持する他の置換変異体もSTAT1との結合能を消失しており、STAT1とC蛋白質の結合は、必ずしも必須ではないことが明らかになった。以上の事から、C蛋白質は、161/163/164のアミノ酸を介して細胞内のある種の蛋白質と結合し、未だ知られていない手段により、抗インターフェロン効果を発揮するのではないかと推察された。
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