老齢CD4^+D25^-T細胞の抑制機能をより小さな亜集団に帰属することが可能か検討したところ、Rhodamine-123(R123)で弱陽性に染まるR123^<lo>細胞分画に強い抑制機能を認めた。またCD4^+CD25^-R123^<lo>T細胞の約5%を占めるCD103^+細胞が、最も強い抑制機能を呈すことを明らかにした。この老齢CD4^+D25^-R123^<lo>CD103^+T細胞は、加齢に伴いその数・割合が増加していた。 老齢CD4^+D25^-T細胞の免疫抑制機能を阻害する単クローン抗体(59.32とI.11)を樹立している。本抗体は、老齢CD4^+D25^-T細胞のみならず若齢マウス由来免疫抑制性CD4^+D25^+T細胞の免疫抑制をも阻害できるとの結果も得ている。上記抗体の認識分子は、マウスが若齢・老齢にかかわらず全ての脾細胞に発現していた。本抗体は、免疫沈降・Western Blottingに用いることが出来た。そこで各抗体の認識分子を濃縮(免疫沈降)し、Western blottingを行ったところ、59.32とI.11は同一分子を認識していることが明らかになった。抗体の認識分子を質量分析にかけ、データベース解析を行ったところ、本抗体の認識分子候補として既知の分子が挙がってきた。この既知分子のトランスフェクタントを作製し、本抗体で染色したところ、抗体は既知分子を認識することが確認できた。本抗体の認識分子は全ての細胞に発現しているが、本抗体が抑制性T細胞にAgonisticに作用することが、抑制機能の解除に重要であることを確認した。
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