研究概要 |
本年度の研究実績は,以下であった。 1.文献・資料収集とそのデータベース化 初年度に引き続き,協調的学習に関する理論や方法に関する研究及び情報帳信ネットワークの教育利用に関する研究を収集し,これまでの研究成果や議論を整理した。また,諸外国における研究の先進的な事例を調査するとともに,これら収集した資料をデータベース化し,WWW上で公開した。 2.日本型カリキュラム・モデル試案の検討 初年度に開発した暫定的なCSCLシステム及びカリキュラムのモデルを再検討するとともに,新しく遺伝子工学に関する小学生用の具体的な学習用コンテンツの制作を行った。 3.国内・国際学会等における中間的成果の発表 千葉大学で開催される日本科学教育学会第28回年会において,中間的な発表を行った。また,その他の日本教育工学会等で成果の一部を発表した。さらに,8月にカナダ・トロント大学の応用認知科学センターで開催されるKnowledge Forumの国際会議で発表を行い,北米における同様の研究との比較を試みる中で,本研究で開発したカリキュラムを日本型モデルとして提案した。 4.CSCLを利用した日本型モデルに基づいたカリキュラム開発,運用,評価,公開 3.で報告した学習環境(システム,学習用コンテンツ及びカリキュラム)の日本型モデルの一部を具体化し,神戸大学発達科学部の附属住吉小学校において,1クラス規模の実験授業を行った。また。2004年10月には日本科学教育学会研究会の際に,公開授業研究会を開催し,カリキュラムの普及を行った。本実験授業に即して作成した各種コンテンツ等については,NICERのサーバで広く公開することを予定している。
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