研究概要 |
本研究の究極の目的は,初等中等教育現場で使われる教科書に添ったweb教材を開発し,実際の授業で活用して評価し,より洗練された教材を開発するものである.具体的課題は,小学校3年から6年までの「理科」,中学校「理科2分野」,高等学校「理科総合B」の学習内容について,インターネット上に学習教材を掲示すると同時に,小中学校で教育実践研究を行って,活用の仕方を提案することである.この研究は平成14年度から継続して取り組んでおり,教育情報ナショナルセンターのサーバーに登録された教材の項目は450を超えた. 天文分野では,天体望遠鏡製作キット(スピカ)の製作とそれを用いた観測実習を取り入れた授業実践を展開している.この取り組みについては児童の理解度に関するアンケート調査を2002年と2005年に実施,大幅な向上が認められ,開発した教材や指導法の有効性が実証された. 動物分野に関しては,岐阜大学キャンパス内にチョウの食草を植えた花壇をつくり,チョウの多様性,成長のようすなど,昆虫生態を視野にいれた教材開発を進めている. また,今年度からホームページに画像投稿できる掲示板を設置し,遠隔地の学習者と協働学習するシステムを試験運用し,実用化の目処がついた. 今後は,これまでの実績を踏まえて,生物・地学分野における教材のさらなる充実だけでなく,物理,化学,環境教育分野における教材開発を手がけて行き,理科教育全般にわたって,ITを活用した新しいカリキュラムを構築する.
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