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『和漢朗詠集』絵入り版本の詩題と画題

研究課題

研究課題/領域番号 15021223
研究種目

特定領域研究

配分区分補助金
審査区分 人文・社会系
研究機関大東文化大学

研究代表者

藏中 しのぶ  大東文化大学, 外国語学部, 教授 (40215041)

研究期間 (年度) 2003 – 2004
研究課題ステータス 完了 (2004年度)
配分額 *注記
1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
2004年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
2003年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
キーワード和漢朗詠集 / 版本 / 絵入版本 / 詩題 / 画題 / 絵
研究概要

『和漢朗詠集』絵入版本2種、貞享元年「絵入」と元禄2年「図解」における詩題と挿絵の画題を比較検討し、以下の結論をえた。
(1)「絵入」は『和漢朗詠集』の部立の詩句本文に具体的に詩語として詠みこまれた表現素材を散りばめて、一幅の絵を構成していた。すなわち、「絵入」は、ひとつ以上の部立の漢詩句と和歌の詩語にもとづいて、直接的に絵画化のための素材を選択していた。
(2)「絵入」は数少ない挿絵を有効に活用するために、一幅の絵のなかに複数の漢詩句・和歌の意味をこめていた。「絵入」の絵が同時に複数の部立の十数首にもおよぶ詩句本文の挿絵として機能できたのは、この絵が部立のなかの複数の表現素材を統合していたためである。「絵入」の絵は一幅の絵として完成されており、なおかつ、そのなかに複数の部立の代表的な詩語を配している。
(3)「絵入」の五年後に刊行された「図解」の絵は、「絵入」に学びつつも、「絵入」の絵を解体する。統合された「絵入」の絵から、一、二の素材をぬきだして、ひとつの小さな絵を構成するのが、「図解」の挿絵の手法である。
(4)「絵入」の絵は、漢詩句・和歌のひとつひとつに対するのではなく、部立全体をひとまとまりとみて、総合的な一幅の絵を構成しようとしている。
つまり、「絵入」の絵は、『和漢朗詠集』の漢詩句一句・和歌一首の断片的な理解によって構成されているのではない。むしろ、部立の連続性をよく踏まえて、ひとつの絵を構成するのが「絵入」の方法であった。最初の絵入り版本「絵入」の絵には、複数の詩句本文の詩語、さらにはこれらを含みこむ複数の部立の意味が統合性と連続性をたもちつつ、一幅の絵の中に凝縮されていたのである。

報告書

(2件)
  • 2004 実績報告書
  • 2003 実績報告書
  • 研究成果

    (4件)

すべて 2004 その他

すべて 雑誌論文 (3件) 文献書誌 (1件)

  • [雑誌論文] 『和漢朗詠集』絵入り版本「立春」「早春」の詩題と画題2004

    • 著者名/発表者名
      藏中しのぶ
    • 雑誌名

      田中隆昭先生古稀記念論文集『日本古代文学と東アジア』(勉誠出版)

      ページ: 129-147

    • 関連する報告書
      2004 実績報告書
  • [雑誌論文] 『和漢朗詠集』絵入り版本の版種-貞享元年刊「絵入」と貞享三年刊「絵入頭書」-2004

    • 著者名/発表者名
      藏中しのぶ
    • 雑誌名

      ナオ・デ・ラ・チーナ 6号

      ページ: 19-22

    • 関連する報告書
      2004 実績報告書
  • [雑誌論文] 「萌え出づる春」の享受と流伝2004

    • 著者名/発表者名
      藏中しのぶ
    • 雑誌名

      源氏物語の鑑賞と基礎知識 蓬生・関屋 36号

      ページ: 46-47

    • 関連する報告書
      2004 実績報告書
  • [文献書誌] 蔵中しのぶ: "『和漢朗詠集』絵入り版本「立春」「早春」詩題と画題"田中隆明先生古希記念論文集 日本古代文学と東アジア(勉誠出版). 129-147 (2003)

    • 関連する報告書
      2003 実績報告書

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公開日: 2003-04-01   更新日: 2018-03-28  

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