研究課題/領域番号 |
15023213
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研究種目 |
特定領域研究
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
生物系
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研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
荒瀬 尚 千葉大学, 大学院・医学研究院, 助教授 (10261900)
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研究期間 (年度) |
2003
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研究課題ステータス |
完了 (2003年度)
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配分額 *注記 |
6,200千円 (直接経費: 6,200千円)
2003年度: 6,200千円 (直接経費: 6,200千円)
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キーワード | NK細胞 / NK細胞レセプター / Flag-trap / レトロウィルスcDNA ライブラリー / 腫瘍抗原 / 腫瘍認識 / 発現クローニング / 膜表面分子 |
研究概要 |
本研究では、私どもが開発してきたいくつかの新たな遺伝子クローニングシステムを用いて、NK細胞による腫瘍細胞認識機構の全貌を解明し、新たな抗腫瘍免疫治療法の開発を目的とする。そこで、新たな活性化NK細胞レセプターのクローニング方法としてFlag-trap法を開発した。その結果、本クローニング方法を用いることにより、既知の活性化NK細胞レセプターであるLy49DやLy49Hをクローニングした他、新たな活性化NK細胞レセプターとして活性化PILRや活性化CD200レセプターといった新たなNK細胞レセプターをクローニングした。さらに、これらの新たなレセプターのリガンドを明らかにするために、レセプターのIgキメラ分子を作製して、各種腫瘍細胞に於けるリガンドの発現を調べてみると、2B4やEL-4といった腫瘍細胞にリガンドが発現していることが明らかになった。そこで、EL-4よりレトロウィルスcDNAライブラリーを作製して、リガンドのクローニングを行うと、新規の分子であるPILR-Lをクローニングした。そこで、リガンド非発現細胞であるBa/F3細胞にPILR-Lを遺伝子導入すると、NK細胞に感受性になることが明らかになった。さらに、PILRのシグナル伝達を欠くDAP12欠損マウスのNK細胞を解析するとリガンド発現細胞に対して細胞障害性を示さなかった。以上より、本研究によって明らかにした活性化NK細胞レセプターであるPILRとそのリガンドは新たなNK細胞の認識分子として重要であることが判明した(Shiratori et al.J.Exp.Med.2004)。そこで、さらに、生体内における腫瘍拒絶にこれらの分子がどのように関与しているかを明らかにすることによって、NK細胞による腫瘍認識機構を明らかにできると思われる。
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