研究課題/領域番号 |
15023248
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研究種目 |
特定領域研究
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
生物系
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研究機関 | 熊本大学 |
研究代表者 |
阪口 薫雄 熊本大学, 大学院医学薬学研究部, 教授 (70192086)
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研究期間 (年度) |
2003 – 2004
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研究課題ステータス |
完了 (2004年度)
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配分額 *注記 |
17,100千円 (直接経費: 17,100千円)
2004年度: 8,400千円 (直接経費: 8,400千円)
2003年度: 8,700千円 (直接経費: 8,700千円)
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キーワード | Bリンパ腫 / 発ガン / DNA複製 / 胚中心 / 抗体親和性 / ホジキン病 / DNA修復 / 体細胞突然変異 / プライマーゼ / ウイルス感線 / ウイルス感染 |
研究概要 |
リンパ組織の胚中心B細胞で発現するGANP分子の免疫学的機能と分子機能を解析したのち、この分子の異常な発現がリンパ腫の自然発症を誘導する事を実験的に示した。遺伝子欠損マウスを用いて、免疫学的機能を解析した。その結果(1)抗原特異的な抗体産生において、高親和性抗体産生に必要であることを示した。さらに、(2)過剰発現を起こさせたトランスジェニックマウスは在来のどのシステムよりも効率に高親和性モノクロナール抗体の産生を誘導することを立証した。この現象はV領域遺伝子の変異導入のレベルとともにB細胞の生存の選別において制御されているものと考えられるが、この技術は実際に抗体の親和性が2オーダー以上も高いモノクロナール抗体を産生することができ、様々な細胞表面分子を標的としているがん治療、診断の分野で汎用性が高く、有用であることを実例を挙げて示した。(3)GANPの分子機能の解析を進め、機能領域を3カ所決定した。GANP分子の中央部分のSac3相同領域の機能解析をするため、この領域のもう一つの分子SHD1をクローニングし、この領域は細胞の分裂においてcentrosomeに局在し、centrosome複製に関わる可能性を初めて示した。さらに、(4)GANP遺伝子欠損によってゲノム不安定性が生じることからGANP分子のがん抑制機能についての知見を得た。そしてこの遺伝子の欠損によって腫瘍が発症することを見いだしている。(4)GANP遺伝子の過剰発現がヒトのホジキン病の細胞で検出されたので、この事と腫瘍発生の因果関係を明らかにするため、トランスジェニックマウスを作製して解析したところ、ポジキン病様のリンパ腫をマウスで自然発症した。ホジキン病の発症原因とゲノム安定化の分子メカニズムの解明への重要な手がかりを得たものと考えている。
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