研究課題/領域番号 |
15023265
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研究種目 |
特定領域研究
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
生物系
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研究機関 | 国立がんセンター研究所 |
研究代表者 |
河野 隆志 国立がんセンター研究所, 生物学部, 室長 (80280783)
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研究期間 (年度) |
2003 – 2004
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研究課題ステータス |
完了 (2003年度)
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配分額 *注記 |
5,600千円 (直接経費: 5,600千円)
2003年度: 5,600千円 (直接経費: 5,600千円)
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キーワード | 染色体欠失 / がん抑制遺伝子 / 肺がん / p16 / ホモ欠失 / 2本鎖DNA切断 / 非相同末端再結合修復 / ミオシン |
研究概要 |
9p21、22q12という種々の、ヒトがんで高頻度に欠失する染色体領域を対象とし、9p21領域に関しては、染色体欠失の分子機構の研究、標的がん抑制遺伝子の同定、22q12領域に関しては、新規がん抑制遣伝子MYO18Bの不活化メカニズムの解析を行った。 1.肺がん等の固形がんにおけるp16がん抑制遺伝子欠失の分子機構の追求 53例のヒトがん細胞株(肺がん21例、他の9種の固形がん32例)における9p21欠失の切断点の分布、構造を明らかにした。その結果、欠失のきっかけとなる2本鎖DNA切断はp16遺伝子座周辺に頻発するが、特定の部位・配列内で発生してはいないことが示された。また、欠失は切断DNAのerror-proneな非相同末端再結合修復の結果発生することが推定された。 2.肺がんにおける9p21欠失の標的がん抑制遺伝子の同定 9p21領域にはalternative splicingにより異なる細胞増殖制御蛋白質をコードするp16、p14ARF遺伝子が存在する。しかし、肺非小細胞がんでは、p16遺伝子の方がp14遺伝子よりも高頻度にホモ欠失・変異・過メチル化により失活していることから、p16遺伝子が肺非小細胞がんにおける9p21欠失の主要な標的がん抑制遺伝子であることを明らかにした。 3.がん抑制遺伝子MYO18B不活化メカニズムの解析 肺がん細胞株について、MYO18B発現とプロモーター領域のヒストン蛋白質のアセチル化状態の関係を調べた。その結果、ヒストンH3、H4蛋白質のアセチル化状態とMYO18B発現に有意な正の相関が見られた。よって、欠失、変異、プロモーター領域のメチル化に加え、ヒストンH3、H4蛋白質の脱アセチル化が、肺がんにおけるMYO18B遺伝子失活の主要因のひとつであることが示された。
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