研究課題/領域番号 |
15024216
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研究種目 |
特定領域研究
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
生物系
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
三木 裕明 東京大学, 医科学研究所, 助教授 (80302602)
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研究期間 (年度) |
2003
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研究課題ステータス |
完了 (2003年度)
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配分額 *注記 |
4,800千円 (直接経費: 4,800千円)
2003年度: 4,800千円 (直接経費: 4,800千円)
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キーワード | Wnt / Dishevelled / 微小管 / β-catenin |
研究概要 |
WntシグナルはDishevelledという細胞内情報伝達因子を介して伝えられる。Dishevelledの下流において、遺伝子発現を制御するβ-cateninの安定化など様々な細胞応答が起こる。私はDishevelledの強制発現が神経芽細胞腫N1E-115細胞からの顕著な神経突起形成を誘導することを見付け、しかもそれが微小管の安定化に起因することを示唆する実験データを得た。この分子メカニズムを解明するため、まずDishevelledの様々な部分発現コンストラクトを作製して、それぞれの神経突起誘導・微小管安定化能や、その他β-cateninの安定化能などを調べた。その結果、微小管の安定化作用は従来からよく解析されてきたβ-catenin安定化やその他の既知のWntシグナル系とは全く独立しているものであることが分かった。この作用にはDishevelledのDIXドメイン以降からPDZドメインの途中までの部分で十分であり、現在その部分に結合する蛋白の網羅的解析を行っている。一方、Dishevelledと相互作用することが既に報告されている蛋白の中で微小管安定化に関わっているものがあるかどうか探索したところ、細胞と基質間の接着に関わるインテグリンに結合することで発見・命名されたIntegrin-linked kinase(ILK)が候補として挙がってきた。実際ILKを培養細胞に強制発現させるとそれだけで微小管安定化を誘導できた。しかもDishevelledの微小管安定化誘導ドメインとして同定した部分と細胞内で複合体を作ることも分かった。現在ILKがDishevelledによる微小管安定化に関わる有力候補の一つと考え、そのより詳細な機能解析を継続している
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