研究課題/領域番号 |
15024235
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研究種目 |
特定領域研究
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
生物系
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
瀬原 淳子 京都大学, 再生医科学研究所, 教授 (60209038)
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研究分担者 |
栗崎 知浩 京都大学, 再生医科学研究所, 助手 (90311422)
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研究期間 (年度) |
2003
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研究課題ステータス |
完了 (2003年度)
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配分額 *注記 |
3,200千円 (直接経費: 3,200千円)
2003年度: 3,200千円 (直接経費: 3,200千円)
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キーワード | プロテアーゼ / ErbB / 形態形成 / 細胞増殖 / 細胞分化 / ADAMファミリー |
研究概要 |
ErbBファミリーは、さまざまな癌細胞の増殖や浸潤にかかわり、この受容体の活性化を制御する方法の一つとして、プロテアーゼによる膜型リガンドの切断がある。私たちは、その切断プロセスにかかわるプロテアーゼとして、ADAMファミリーに属するメルトリンα/ADAM12とメルトリンβ/ADAM19に着目した。これまでに、メルトリンαに関しては、その欠損マウスの作成などから、骨格筋・脂肪組織の形成にかかわることを報告してきたが、メルトリンα遺伝子欠損胎児繊維芽細胞を用いることにより、膜型ErbBリガンドHB-EGFのPMA依存的な切断にかかわるとともに、細胞増殖の制御に関与していることを見出した。一方メルトリンβは、その欠損マウスを解析することにより、マウス形態形成過程におけるひとつの役割として、心臓内膜組織の形成にかかわること、心内膜間葉細胞の移動あるいは細胞分化に関わることを示した。また、メルトリンβ欠損胎児繊維芽細胞を用い、(1)メルトリンβが、膜型ErbBリガンドニューレグリンの、PMA依存的な切断に関わること、(2)胎児繊維芽細胞においてニューレグリン切断活性は、低密度に培養された細胞においてはメルトリンβに依存するが、高密度に培養されたときは、他のメタロプロテアーゼに依存することを明らかにした(kurohara et al., 2004)。さらに、メルトリンβと基質はともに、コレステロールリッチな膜ラフト画分に存在することを見出した。メルトリンβの膜ラフトへの局在には膜貫通領域が必須である。メルトリンβが膜ラフトに局在することは基質の切断を正に制御しており、膜ラフトに存在できないと、基質切断活性をもたない。このことから、メルトリンβと基質の膜ラフトにおける共局在が、その切断に重要な意義をもつことを明らかにした(Wakatsuki et al., 2004)。
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