研究課題/領域番号 |
15024268
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研究種目 |
特定領域研究
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
生物系
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研究機関 | 国立がんセンター研究所 |
研究代表者 |
岡本 康司 国立がんセンター研究所, 放射線研究部, 室長 (80342913)
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研究期間 (年度) |
2003
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研究課題ステータス |
完了 (2003年度)
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配分額 *注記 |
4,500千円 (直接経費: 4,500千円)
2003年度: 4,500千円 (直接経費: 4,500千円)
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キーワード | 発癌 / p53 / MDM2 / リン酸化 / 分子生物学 |
研究概要 |
p53癌抑制蛋白は、細胞の持つ発癌抑制機構の中で中心的な役割を担うと考えられるが、さまざまな癌化ストレス刺激によるp53の活性制御に際し、mdm2癌遺伝子産物が重要な働きをなす事が知られている。Mdm2によるp53活性制御における、Mdm2のリン酸化による修飾の果たす役割を解明する事を目的として、とりわけMdm2のセリン166、及びセリン407のリン酸化に注目し、これらのセリンに対する抗リン酸化抗体を作成し、リン酸化制御機構を検討した。最近、p53のターゲット遺伝子であるサイクリンGがプロテインフォスファターゼ2Aと複合体を構成する事を見いだしたが、サイクリンGを含む複合体がMdm2のセリン166の脱リン酸化を促す事を見いだした。さらに、Mdm2のリン酸化によるp53の活性制御機構についてさらに理解を深める為、PI-3キナーゼファミリーによるリン酸化のコンセンサス配列(SQ)に相当するセリン407残基について解析を進めた。セリン407がPI-3キナーゼファミリー(PIKK)に属するATRによりリン酸化される事、及びセリン407のリン酸化はMdm2依存的なp53の核外輸送を阻害し、p53の核内での蓄積を誘導すう事を示した。これらの研究を通して、正常細胞において、p53がどのようなメカニズムで誘導されるか明らかにすると同時に、将来p53の誘導機構に障害のある癌細胞における分子的異常の本態を理解する事にも寄与すると期待された。
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