研究課題/領域番号 |
15025202
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研究種目 |
特定領域研究
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
生物系
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
桑原 幹典 北海道大学, 大学院・獣医学研究科, 教授 (10002081)
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研究分担者 |
柏倉 幾郎 弘前大学, 医学部・保健学科, 教授 (00177370)
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研究期間 (年度) |
2003
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研究課題ステータス |
完了 (2003年度)
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配分額 *注記 |
2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
2003年度: 2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
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キーワード | TNF受容体 / 固形腫瘍 / FAS / DR5 / アポトーシス / レドックス制御 / 放射線治療 / TRAIL |
研究概要 |
本研究では固形腫瘍由来のがん細胞で放射線によるTNF受容体の過剰発現が関与するカスパーゼ8、3依存性のアポトーシス経路が存在するかどうかを明らかにする目的で行った。さらにはFAS-LやTRAILによる放射線増感が起きるかどうかについても検討した。ヒト前立腺がん由来細胞LNCaP、DU145、ヒト乳腺がん由来MCF-7、ヒト肺癌由来細胞A549、ヒト胃癌細胞MKN45、MKN28にX線を照射すると、DU145細胞を除いて全ての細胞で細胞膜表面へのFASの発現のX線照射による増強が観察され、DR5については全ての細胞でX線照射による高発現が観察された。さらに、FASアゴニスト抗体であるCH11とDR5に対するリガンドであるTRAILを培地に加えたところ、対応する受容体の発現が見られた細胞に対して、放射線によるアポトーシス誘導が増強した。さらに、MKN45細胞では放射線誘発FASとDR5発現はN-アセチルシステイン(NAC)の放射線照射後の培地への添加で抑制され、リガンドによる放射線誘発アポトーシス増感も消失した。以上のことは多くの固形腫瘍細胞でも放射線照射によりレドックス機構が関与する機能的デスリセプター発現を起こす事を示している。したがって、今後、放射線照射後の細胞内の活性酸素種生成やグルタチオンとその関連酵素を検討することが重要であると考えられる。今回の結果は、放射線によって発現するデスレセプターを標的とした増感方法の可能性を示すものである。
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