研究課題/領域番号 |
15025217
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研究種目 |
特定領域研究
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
生物系
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
藤田 直也 東京大学, 分子細胞生物学研究所, 助教授 (20280951)
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研究期間 (年度) |
2003 – 2004
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研究課題ステータス |
完了 (2004年度)
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配分額 *注記 |
16,200千円 (直接経費: 16,200千円)
2004年度: 8,100千円 (直接経費: 8,100千円)
2003年度: 8,100千円 (直接経費: 8,100千円)
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キーワード | Akt / PDK1 / WEE1Hu / MEK / MAPK / 抗癌剤 / 生存シグナル / 抗がん剤 / p27Kip1 / 14-3-3蛋白質 |
研究概要 |
ヒトAkt・PDK1タンパク質と相互作用する分子のスクリーニングを行ない、Aktに結合する基質分子としてWEE1Hu(Wee1Aとも呼ばれる)を、PDK1に結合する基質分子としてMEK(MAPK/Erk kinase)を同定した。WEE1Huは642番目のセリン残基がリン酸化され、機能発揮の場である核から細胞質へと核外移行した。WEE1Huに結合する分子の探索をさらに行なった結果、14-3-3thetaタンパク質がWEE1Huに結合すること、さらにその結合には642番目のセリン残基のリン酸化が必須であることを見いだした。WEE1Huの核外移行はAktまたは14-3-3theta遺伝子発現により促進され、それに符合するようにWEE1HuによるG2/M期停止活性が減弱した。よって、AktはWEE1Huをリン酸化することによりWEE1Huの核外移行を誘導し、がん細胞の異常な細胞周期進行を引き起こしていることが示唆された。PDK1は、MEK1の222番目およびMEK2の226番目のセリン残基をリン酸化することを見いだした。PDK1に対するsiRNAをデザインし,siRNAを細胞内に導入することによりPDK1発現を減少させると、MEKのリン酸化レベルが減少し、MEKの下流であるMAPKの活性抑制、MAPKの細胞内基質の活性減少,さらには細胞増殖の抑制が観察された。よって、PDK1はAkt経路およびMAPK経路を制御するキナーゼであることが明らかとなり、PDK1は抗がん剤開発の際の分子標的として有望であることが示唆された。
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