研究課題/領域番号 |
15025239
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研究種目 |
特定領域研究
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
生物系
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
今西 武 大阪大学, 薬学研究科, 教授 (40028866)
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研究分担者 |
小比賀 聡 大阪大学, 薬学研究科, 助手 (80243252)
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研究期間 (年度) |
2003
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研究課題ステータス |
完了 (2003年度)
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配分額 *注記 |
3,900千円 (直接経費: 3,900千円)
2003年度: 3,900千円 (直接経費: 3,900千円)
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キーワード | 糖部立体配座 / ヌクレオシド類縁体 / オリゴヌクレオチド類縁体 / 人工核酸 / 合成 / アンチセンス / アンチジーン / BNA |
研究概要 |
我々は、天然ヌクレオシドの糖部を架橋構造化することでN型或いはS型と呼ばれる立体配座に固定した新しい人工核酸(Bridged Nucleic Acid:BNA)の開発を進め、これら人工核酸をオリゴヌクレオチド中に導入することで、そのアンチセンス効果が飛躍的に向上することを見いだしてきた。ここでは、細胞のアポトーシス死に関する遺伝子として知られるbcl-xLおよび原ガン遺伝子として知られるc-mycに対するアンチセンスオリゴヌクレオチドに2',4'-BNAを導入しその評価解析を行った。その結果、bcl-xLを標的とした2'、4'-BNA修飾アンチセンスオリゴヌクレオチド(BNA-oligo)は、培養細胞系においてbcl-xLのmRNAレベルを大幅に低下させ、細胞をアポトーシスへと導いた。その効果は配列特異的であった。これに対し同配列のホスホロチオアートオリゴヌクレオチド(S-oligo)はbcl-xL以外にも多くの遺伝子のmRNAレベルを低下させた。一方、これまで天然オリゴヌクレオチド(D-oligo)による細胞増殖抑制効果が認められていたc-mycに対するアンチセンス配列を用い、S-oligo、D-oligo及びBNA-oligoの効果を評価したところ、S-oligoでは配列非特異的な効果を示した。また、D-oligoは強い細胞増殖抑制を示した。これに対し、意外にもBNA-oligoは増殖抑制を全く示さなかった。この結果を詳細に解析したところ、c-mycを標的とした場合のD-oligoによる細胞増殖抑制効果が、配列中に含まれる、CpGモチーフに由来するものであることが強く示唆された。このことより、BNA-oligoではCpGモチーフによる細胞増殖阻害を回避できることが明らかとなった。
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