研究課題/領域番号 |
15025272
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研究種目 |
特定領域研究
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
生物系
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研究機関 | (財)癌研究会 |
研究代表者 |
旦 慎吾 財団法人癌研究会, 癌化学療法センター・分子薬理部, 研究員 (70332202)
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研究期間 (年度) |
2003
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研究課題ステータス |
完了 (2003年度)
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配分額 *注記 |
5,900千円 (直接経費: 5,900千円)
2003年度: 5,900千円 (直接経費: 5,900千円)
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キーワード | ヒトがん細胞株 / バイオインフォマティクス / 抗がん剤 / 遺伝子発現プロファイル / cDNAマイクロアレー / RNA干渉法 |
研究概要 |
がん細胞の抗がん剤感受性を規定する遺伝子群を同定する目的で、39種類のヒトがん細胞株について約65種類の抗がん剤に対する感受性と約1万種類の遺伝子発現を測定し、バイオインフォマティクス的手法により各々の抗がん剤感受性と統計学的に有意な相関が認められた遺伝子群を抽出した。ここで認められた抗がん剤-遺伝子の間の関連性を一般化するためには、39細胞株とは違ったセットを用いて検証をおこなう必要がある。本研究では、関連性の検証のために米国国立がん研究所(NCI)が公開している60種類のヒトがん細胞についての薬剤感受性・遺伝子発現データベースを利用した。その結果、39細胞株での解析で有意な相関が認められた遺伝子-抗がん剤の組み合わせ3,267組のうち、617組(19%、268遺伝子)についてNCIのデータを用いても同様な相関が認められた(P<0.05)。このことから、これらの遺伝子は、相関が認められた抗がん剤の感受性への機能的な関与が期待された。そこで、RNA干渉法を利用してこれらの遺伝子発現が高い細胞株で発現をノックダウンさせ抗がん剤感受性が変化するかを検討し、これまでに発現ノックダウンによりDNAトポイソメラーゼ(トポ)阻害剤の感受性が大きく低下した遺伝子を同定した。このことから、この遺伝子はトポ阻害剤による抗がん作用に機能的な関与があることが示唆された。現在、他の遺伝子についても順次検討を進めている。抗がん剤感受性に大きな影響を与える遺伝子はがん化学療法・抗がん剤耐性克服の新たな創薬ターゲットとしての可能性が期待される。
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