研究課題/領域番号 |
15025274
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研究種目 |
特定領域研究
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
生物系
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研究機関 | 国立がんセンター研究所 |
研究代表者 |
益谷 美都子 国立がんセンター研究所, 生化学部・担がん生体研究室室長 (60238904)
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研究期間 (年度) |
2003
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研究課題ステータス |
完了 (2003年度)
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配分額 *注記 |
2,600千円 (直接経費: 2,600千円)
2003年度: 2,600千円 (直接経費: 2,600千円)
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キーワード | Poly(ADP-ribose) / Parp / Parg / ガンマ線 / apoptosis / NAD |
研究概要 |
放射線治療の感受性の予測には未解明の部分が多く、増感法の新たな開発が重要である。放射線によるDNAの修復、及び細胞死の過程についてはDNA-PKやp53、SAPK/JNK経路等について精力的に解明が進みつつある。本研究ではポリ(ADP-リボース)代謝という異なる切り口からポリ(ADP-リボース)合成及び分解の欠損モデルを用いて放射線応答機構や増感法の開発の推進や放射線治療抵抗性の機序の解明を目指し、研究を行った。 ポリ(ADP-リボース)合成酵素(Parp-1)欠損マウスにおけるガンマ線照射後の出血傾向は、脾臓細胞の増殖サイクルへの移行低下に関連する骨髄幹細胞の増殖、分化能の低下による可能性が示唆された。また、Parp-1欠損マウスにおけるガンマ線照射後のapoptosis感受性は、臓器間で異なり、毛嚢では顕著な亢進を認めた。酸化的DNA損傷後、Parp-1欠損細胞では、XRCC1 fociの形成能が消失した。 ポリ(ADP-リボース)グリコヒドロラーゼ(Parg)欠損細胞における、ガンマ線照射後の致死感受性亢進は、NADの減少とpoly(ADP-ribose)の一過性蓄積を伴い、初期のapoptosisではなく、生存細胞におけるより遅延性の影響によることを示した。マウス血漿中のpoly(ADP-ribose)の存在を明らかにし、その定量系を確立した。これにより細胞死に伴い、血中に漏出すると予測されるpoly(ADP ribose)が、放射線治療感受性予測のバイオマーカーとして有用であるかどうかの検討が可能になった。
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