研究課題/領域番号 |
15026220
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研究種目 |
特定領域研究
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
生物系
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研究機関 | (財)放射線影響研究所 |
研究代表者 |
錬石 和男 財団法人 放射線影響研究所, 臨床研究部, 科長(研究員) (50359452)
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研究分担者 |
小山 幸次郎 財団法人 放射線影響研究所, 疫学部, 室長(研究員) (90186833)
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研究期間 (年度) |
2003
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研究課題ステータス |
完了 (2003年度)
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配分額 *注記 |
5,200千円 (直接経費: 5,200千円)
2003年度: 5,200千円 (直接経費: 5,200千円)
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キーワード | 乳がん / コホート内症例対照研究 / IGF-1 / IGFBP-3 / エストラジオール / 原爆被爆者 |
研究概要 |
本研究は日本人原爆被爆者を対象とした放射線被爆の健康影響に関するコーホート研究に基づき、乳がんの血清学的なリスク因子と予防因子をコーホート内症例対照研究により明らかにすることを目的とする。2002年までに乳がんと診断された症例243人、及び居住地、採血時年齢、採血時期、放射線被曝線量を一致させた対照者486人を対象とした。血清の収集から乳がんの診断までの平均期間は13.7年(標準偏差8.3年)であった。症例と対照における血清収集から測定までの平均期間は28.4年(標準偏差5.3年)であった。血清試料を用いて、総エストラジオール(E2)、インシュリン様増殖因子1(IGF-1)、インシュリン様増殖因子結合たんぱく質3(IGFBP-3)を測定した。50歳未満の乳がんでは、IGF-1とIGFBP-3の双方が低値群である場合を基準として、いずれか片方が高値群のORは5.1(1.2-37.1)、両方が高値群のORは4.9(1.1-36.9)であった。さらに、IGF-1とE2を組み合わせた場合でも、リスクの相乗的な昂進が認められた。しかし、50歳以上の乳がんでは、マーカーの組み合わせによるリスクの増加は観察されなかった。すなわち、血清IGF-1はE2の血清レベルの高い集団で閉経前乳がんのリスク因子となりうること、IGFBP-3と組み合わせることによりリスクが相乗的に増加することが示唆された。
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