研究課題/領域番号 |
15028216
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研究種目 |
特定領域研究
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
生物系
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研究機関 | 東京理科大学 |
研究代表者 |
朽津 和幸 東京理科大学, 理工学部, 助教授 (50211884)
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研究期間 (年度) |
2003
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研究課題ステータス |
完了 (2003年度)
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配分額 *注記 |
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
2003年度: 2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
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キーワード | エリシター / 過敏感細胞 / 細胞膜 / カルシウムイオン(Ca^<2+>) / 膜電位 / イオンチャネル / 細胞周期 / 防御遺伝子 |
研究概要 |
エリシターが認識され過敏感細胞死(HR)が誘導される最初期に、細胞膜の脱分極と、細胞膜を介したCa^<2+>流入が誘導されることが明らかとなり、膜電位依存性Ca^<2+>チャネルが関与する可能性が示唆された。そこでタバコBY-2細胞やイネで発現する新規の膜電位依存性Ca^<2+>チャネル遺伝子を単離した。この遺伝子の過剰発現細胞では、エリシターに対する感受性が高まっており、逆にトランスポゾンの挿入変異によるノックアウト株の培養細胞では、エリシター誘導性のHR様細胞死が著しく抑制された。タバコBY-2細胞の発現抑制株では、エリシター誘導性のCa^<2+>動員とHRが共に著しく抑制された。これまで植物のCa^<2+>チャネル遺伝子の機能が解明された例はほとんどないが、本研究により単離したこの遺伝子は、エリシターなどの感染シグナルに対する感受性を決定し、HRシグナル伝達の制御の鍵を握る極めて重要な機能を担っている可能性が考えられる。 細胞周期を同調させることにより高度に同調的なHR誘導系を構築し、植物においてこれまで全く未解明だった細胞死と細胞周期制御とのクロストークを解析した。細胞死は細胞周期依存的であり、エリシターシグナルはどの時期にも認識されるが、S期とG1期でエリシターが受容された時のみ細胞周期が停止し、その後に防御遺伝子の発現や細胞死が誘導される、すなわち植物のHR細胞死の誘導は細胞周期によって厳密に制御されていることが明らかとなった。そこで細胞死誘導に必要なエリシターシグナルの受容の性質を詳細に解析するため、エリシターの処理時間を変えて細胞死や防御関連遺伝子の転写誘導を解析した結果、HR細胞死誘導には、エリシターシグナルが持続的に受容されることが必要であることが明らかとなった。
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