研究課題/領域番号 |
15029229
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研究種目 |
特定領域研究
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
生物系
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
藤田 一郎 大阪大学, 大学院・生命機能研究科, 教授 (60181351)
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研究期間 (年度) |
2003 – 2004
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研究課題ステータス |
完了 (2004年度)
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配分額 *注記 |
6,500千円 (直接経費: 6,500千円)
2004年度: 3,200千円 (直接経費: 3,200千円)
2003年度: 3,300千円 (直接経費: 3,300千円)
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キーワード | 大脳皮質 / 錘体細胞 / 視覚経路 / 側頭連合野 / 物体認識 / 機能構築 / 視覚情報処理 / 視覚認識 / 視覚連合野 / 多細胞活動同時記録 / 光学測定 / コラム構造 / 抑制性伝達物質 |
研究概要 |
霊長類の大脳皮質腹側視覚経路の初段である一次視覚野(V1野)と最終段である下側頭葉皮質(TE野)における錘体細胞水平軸索枝の形態学的特徴を、順行性軸索標識色素によるラベリングにより調べた。両領野それぞれの皮質2、3層に色素を注入することで標識される水平軸索の終末部は、色素注入部位から様々な距離に集団をなし、いわゆる水平軸索終末パッチを形成する。このパッチの分布は、TE野では注入部位から8mmまでおよぶのに対して、V1野では2mm以内に限局する。個々のパッチのサイズとパッチ間の距離もTE野の方がV1野よりも大きく、また不規則で変化に富んでいる。V1野におけるパッチの標識強度は、注入部位から離れるにつれて弱くなるが、TE野ではその傾向が不鮮明であり、注入部位から遠いパッチが注入部位のそばのパッチよりも強く標識されることがひんぱんに起こる。パッチの全体分布は、TE野の方がひとつの軸にそって偏る異方性を示す傾向が強い。TE野内でとなりあう領域に2種類の色素を注入すると、標識される水平軸索パッチは、空間的に非常に異なる分布を示し、2種の色素で標識されたパッチが重なったり隣り合ったりすることはまれである。以上の結果は、水平軸索の解剖学的特徴が、V1野とTE野では大きく異なっていることを示している。従来、大脳新皮質は、その基本構造が異なる領野の間で共有されていることが強調されてきているが、領野により大きな相違もあることが定量的に示された。
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