研究課題/領域番号 |
15029241
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研究種目 |
特定領域研究
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
生物系
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研究機関 | 奈良先端科学技術大学院大学 |
研究代表者 |
稲垣 直之 奈良先端科学技術大学院大学, バイオサイエンス研究科, 助教授 (20223216)
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研究期間 (年度) |
2003 – 2004
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研究課題ステータス |
完了 (2004年度)
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配分額 *注記 |
6,600千円 (直接経費: 6,600千円)
2004年度: 3,300千円 (直接経費: 3,300千円)
2003年度: 3,300千円 (直接経費: 3,300千円)
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キーワード | 神経細胞 / 軸索 / 樹状突起 / 細胞極性 / プロテオーム / 2次元電気泳動法 / 網羅的機能解析 / 機能ゲノミクス / 神経分化 / タンパク質 / 翻訳合成 |
研究概要 |
神経細胞は、1本の軸索と複数の樹状突起を有し神経極性を形成する。神経極性は、神経細胞の基本的な機能であるシグナルの入出力や統合に重要な役割を果たすにも関わらず、その形成および維持の分子機構は未だよくわかっていない。本研究の目的は、神経細胞の軸索形成および極性形成に関わる分子群を網羅的に同定し機能解析を行うことにより、神経極性形成の分子機構をシステマティックに明らかとすることである。 これまでの研究で、我々は高感度二次元電気泳動法を用いて6,197個のタンパク質スポットを解析し、培養海馬神経細胞の極性形成時に発現が上昇する92個のタンパク質を質量分析装置を用いて同定した。また、5,164個のタンパク質スポットを解析し、82個の神経軸索に濃縮するタンパク質を同定している。 本年度は、神経細胞の極性形成時に発現が上昇する92個の蛋白質群と軸索に濃縮する82個のタンパク質群との両方に共通するものとして、新規のタンパク質shootin1を見出した。組織分布を調べたところ、shootin1は脳に特異的に発現しその発現量は軸索が形成される生後4日目にピークを迎えた。また、ラット海馬培養神経細胞では、shootin1が極性形成に伴って軸索の成長円錐に強く濃縮することが明らかとなった。さらに、shootin1の異所性の過剰発現は神経極性に乱れを惹き起こし過剰軸索を形成させた。また、EGFPを付加したshootin1を神経細胞に発現させて軸索成長円錐における細胞内局在をリアルタイムで解析したところ、shootin1は成長円錐のフォロポディアおよびラメリポディアの形成に伴ってダイナミックな濃縮を起こすことがわかった。以上の結果から今回見出したshootin1は神経軸索形成および極性形成に関与する重要な分子であると結論された(論文投稿中)。
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