研究概要 |
申請者は、ヒト免疫不全症ウイルス(HIV) Revタンパク質とその結合相手であるRev response element (RRE)をモデル・システムとしたRNA-ポリペプチド相互作用のメカニズムの解析を行ってきた。その最大の特徴・独創的な点は、申請者らが開発した細胞内RNA-ポリペプチド相互作用検出系を用いて、RNAとペプチドの双方のコンビナトリアル解析を行っている点である。これまで、アルギニンを主体とするコンビナトリアル・ライブラリーを用いたRRE結合ペプチドの探索により、本来の結合相手であるRevペプチドよりも強くRREと結合し、Revペプチドとは異なる結合様式を持つRSG-1.2、重要なグルタミン残基を持つK1およびDLAペプチドペプチドを同定した(Harada et al.,PNAS,1997;Peled-Zehavi et al.,RNA,2003)。本研究期間は、まずRSG-1.2ペプチドとの結合に重要な、RREヌクレオチドを同定し、RREによるRevおよびRSG-1.2ペプチドとの結合の特異性を1塩基置換により容易にスイッチ出来ることを見いだした(Iwazaki et al.,submitted)。また、K1およびDLAペプチドとRREとの相互作用のメカニズムをコンビナトリアルおよび生化学的な手法を用いて解析を行い、その結合の様式およびアミノ酸要求性に関する知見を得た(Sugaya et al.,in preparation)。
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