研究課題
特定領域研究
本研究では、出芽酵母においてSUMO化されるタンパク質を網羅的に同定し、さらに複製や修復時にユビキチン化あるいはSUMO化されるタンパク質の制御機構を解明する研究提案を行った。前者の網羅的な解析は達成できなかったが、一方、後者においては下記のような大きな成果を得た。(1)Ubc9の欠損によりDNA傷害で誘導される相同組換え修復に欠損が生じることを世界ではじめて立証した(前田DNA Repair,2004)。(2)出芽酵母において、Smc6がSUMO化されることを見いだした。smc6温度感受性株を作製し、解析したところ上記ubc9変異株と同様にDNA傷害で誘導される相同組換え修復に欠損を示すことを証明した(小野田DNA Repair,2004)。(3)DNAポリメラーゼδを鋳型DNAに乗せる役割をもつPCNAはSUMOおよびユビキチンに両方で修飾されることが報告されている。PCNAのユビキチン化、あるいはSUMO化のDNA複製における意義を調べたところ、通常のDNA複製時にPCNAのユビキチン化が起こり、それがtemplate-switching DNA synthesisを誘導し、それがDNA複製の完了に重要な役割を果たすことを実証した(Branzei Genes to Cells,2004)。(4)DNAポリメラーゼδの2番目のサブユニットPol31がSUMO化されることを見いだした。またPol31に系統的にミスセンス変異を導入し、35種類の変異株を作製した。現在Pol31のSUMO化の意義を検討中である。
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