研究課題
特定領域研究
藍色細菌の生物時計は時計タンパク質(KaiA、KaiB、KaiC)及び時計関連タンパク質(Pex、SasA)から構成される。それらタンパク質、タンパク質複合体による時計分子装置の作動機構-「時計の分子装置がどのようにして、24時間周期の振動を発振するか」-の原子レベルでの解明を目指している。時計タンパク質KaiAとKaiCとの複合体形成(相互作用)はリズム発振に重要であり(Uzumaki et al.,2005,Nature Struct.Mol.Biol.)、その相互作用の解明が不可欠である。その一環としてストイキオメトリを決定した。藍色細菌生物時計分野初となるin vitro生化学解析である。in vitroで、AMPPNP(加水分解されないATPアナログ)存在下ではKaiC-KaiA複合体の検出に成功し、複数の手法でKaiA二量体:KaiC六量体=2:1であることを明らかにした。さらに、生体分子相互作用測定装置を用いてATP存在下ではKaiA二量体:KaiC六量体=1:1であることを明らかにした。KaiCリン酸化促進に対するKaiAのdose responseを調べたところ、1/2 max=0.25分子だった。以上より、一分子の六量体型KaiCに二分子のKaiA二量体が結合可能であり、KaiA一分子の相互作用でKaiCリン酸化を充分に促進すると結論した(Hayashi et al.,2004,BBRC)。今後は、KaiAによるKaiCリン酸化促進メカニズムを原子レベルで解明するため、KaiA-KaiC複合体の構造決定を目指す。また、昨年度のKaiAの原子構造解明に続き、KaiBの構造決定に成功した。サブユニット構造は新規フィールドであり、Native構造は極めてユニークな菱形板状構造であった。四量体であることは化学架橋法と分析超遠心法で確認した。静電ポテンシャル解析より、特徴的なサブ構造(1)Negative ridgeと(2)Positive cleftとを見いだした。それぞれのサブ構造にアミノ酸置換変異を導入した藍色細菌変異体を作成しin vitro生化学解析とin vivoリズム解析を行い、両サブ構造が概日リズム発振に重要であることを明らかにした(Iwase et al., submitted)。
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