研究課題/領域番号 |
15032237
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研究種目 |
特定領域研究
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
生物系
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研究機関 | 徳島大学 |
研究代表者 |
西村 範行 徳島大学, 大学院・ヘルスバイオサイエンス研究部, 助教授 (00322719)
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研究期間 (年度) |
2003 – 2004
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研究課題ステータス |
完了 (2004年度)
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配分額 *注記 |
4,100千円 (直接経費: 4,100千円)
2004年度: 2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
2003年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
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キーワード | メンブレントラフィック / タイトジャンクション / クローディン / オクルーディン / Rab13 / JRAB / リサイクリング / カルシウムスイッチ / トランスフェリン受容体 / エンドサイトーシス |
研究概要 |
タイトジャンクション(TJ)は、物理的に隣り合う細胞間隙の物質透過を制限し、細胞膜を頂端側と側基底側に分離すると共に、細胞膜上の膜ドメインとしてシグナル伝達分子を集積することによって、細胞極性を形成・維持している。TJを構成する膜タンパク質であるクローディンやオクルーディンは、細胞膜まで小胞輸送されてTJを形成すると考えられる。細胞内小胞輸送の代表的な制御系であるRabファミリー低分子量Gタンパク質(Rab)には60以上のメンバーが同定されており、個々のメンバーが特定の細胞内膜系に局在して小胞輸送および膜ドメインの形成を制御している。これまでに、TJ膜タンパク質と頂端側および側基底側膜タンパク質との選別機構を明らかにする目的で、TJに局在するRab13が、クローディンのゴルジ体から細胞膜への輸送およびオクルーディンのエンドソームから細胞膜へのリサイクリングを特異的に制御することを明らかにしてきた。そこで、本年度の研究では、Rab13の作用機構を明らかにする目的で、Rab13の標的タンパク質の同定を試み、以下の結果を得た。1)酵母Two-hybrid法を用いて、GTP結合型Rab13に特異的に結合する分子としてJRABを同定した。2)JRABは脳、肝臓、腎臓、肺に発現し、マウス乳腺上皮(MTD-1A)細胞のTJに局在した。3)JRABのRab13結合領域欠失変異体(JRAB-N)は、オクルーディンの細胞膜へのリサイクリングを特異的に抑制した。4)JRAB-Nは、カルシウムスイッチしたMTD-1A細胞における機能的TJの形成を抑制した。これらの結果から、Rab13は、標的タンパク質JRABを用いて、TJ膜タンパク質と頂端側および側基底側膜タンパク質との選別を制御していることが示唆された。このように、本年度の研究は予想以上に進展し、当初の目的はほぼ達成できた。
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