研究概要 |
1.CFTRのER export機構の検討 GFP-CFTRを恒常的に発現するBHK細胞を用いて,CFTRのER export機構およびその輸送経路について免疫蛍光染色法にて検討を行った.その結果,CFTRのER exportはCOPII依存的であること,さらに,CFTRの小胞体からの輸送経路は通常とは異なるendosomeを介した経路である可能性を見いだした.本知見は,CFTR特異的な輸送経路の存在を示唆するものであり,CFTR特異的に輸送を制御できる可能性を示唆する重要な知見である(T.Okiyoneda et al.,J Pharmacol Sci 2004). 2.ΔF508 CFTRのmislocalization(ER retention)を改善する artifical escortタンパク質の分子設計 ΔF508 CFTRと結合し,そのmislocalizadonへの関与が示唆されている小胞体分子シャペロンCalnexinに着目し,Calnexinを鋳型にして様々なartificalタンパク質を構築した.現在までに,Golgi体へ局在変化するCalnexin変異体などを見いだしており,今後,ΔF508 CFTRに対する影響について検討を行う予定である. 3.CalreticulinによるCFTR down-regulationの機構解明 様々の細胞生物学的検討の結果,CalreticulinはCFTRのGolgi体から形質膜への輸送を阻害することにより,CFTR発現を負に制御することを見いだした.また,阻害剤を用いた検討の結果,Calreitculinはpost-GolgiにおいてCFTRのproteasomal degradationを促進する可能性を見いだした.
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