研究課題
特定領域研究
プロテアソームにより認識・分解されるためのシグナルとなるポリユビキチン鎖はユビキチンのLys48とCOOH末端によるイソペプチド結合を介してポリ化する。これとは別に、機能は不明瞭であるがLys63を介するポリユビキチン化も知られている。我々は、ユビキチン化酵素群(E1、E2)を使ったin vitro酵素反応により、Lys48リンク及びLys63リンクのジユビキチン及びテトラユビキチンを調製し、NMR、ESR、X線小角散乱法によってその立体構造を解析し、これらポリ化様式の違いによる立体構造の差異を明らかにした。これらの結果をまとめて論文を発表した。ユビキチンは様々准分子と相互作用、複合体形成を行なうことにより、多用な生物学的機能を発揮することが知られているが、その分子認識の鍵となるのは、種々のユビキチン結合モチーフである。これらは、現在までに数種類が知られているが、我々はそのうちの一つ、UBA (ubiquitin associated)ドメインとユビキチンの複合体の立体構造を溶液NMR法によって決定し、分子認識機構を原子分解能で解明した。これはユビキチン-UBA複合体の最初の構造決定である。この結果については、Structure誌に発表した。また、2003年にユビキチン結合モチーフであると示唆されたVHSドメインについてもユビキチンとの結合様式を原子分解能で調べるべく研究を開始した。STAM2蛋白質のVHSドメインの試料調製を行ない、NMRを使ってユビキチンとの相互作用実験を行なった。データの解析の結果、VHSの中の、どのアミノ酸残基がユビキチンと結合するかを明らかにした。
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