研究課題/領域番号 |
15032258
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研究種目 |
特定領域研究
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
生物系
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研究機関 | 独立行政法人理化学研究所 |
研究代表者 |
小瀬 真吾 独立行政法人理化学研究所, 今本細胞核機能研究室, 研究員 (90333278)
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研究分担者 |
今本 尚子 独立行政法人理化学研究所, 今本細胞核機能研究室, 主任研究員 (20202145)
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研究期間 (年度) |
2003 – 2004
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研究課題ステータス |
完了 (2004年度)
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配分額 *注記 |
4,900千円 (直接経費: 4,900千円)
2004年度: 2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
2003年度: 2,400千円 (直接経費: 2,400千円)
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キーワード | 核内移行 / 核外移行 / 核膜孔複合体 / 熱ショック蛋白質 / importin / β-カテニン / 核膜孔 / 核-細胞質間蛋白質輸送 |
研究概要 |
核-細胞質間蛋白質輸送担体importinβファミリー分子は、核膜孔複合体構成因子(Nup)と直接的に相互作用することにより、核膜孔を両方向性に移動する活性を持つ。しかし、通過方向によりNupとの分子間相互作用が違うのか、その詳細な分子機構は不明である。本研究では、核内輸送担体importinβ様分子と核膜孔を単独で通過できるβ-カテニンを用いて核膜孔通過機構の解析を行い、以下のことを明らかにした。 1.核内輸送担体importinβの細胞内挙動の解析から、importinβの核外移行のみがATP枯渇処理細胞で阻害されることを明らかにしていた。今回、核内輸送担体importinβ並びにtransportinの核外移行を促進する因子として熱ショック蛋白質hsc70を同定した。ATPase活性欠損hsc70変異体では、この効果が観られず、またhsc70分子の核内移行能も低下する傾向が観られた。詳細な作用機序はまだ不明であるが、hsc70は核内において機能している可能性が考えられる。(現在J. Cell Biol.に投稿中) 2.β-カテニンのドメイン解析から、β-カテニンの核内移行と核外移行に必要な領域はオーバーラップしているが完全には一致していないことが判った。また、様々な通過分子を用いた競合阻害実験から、β-カテニンと核膜孔とのアフィニティーは、核内移行と核外移行で異なることを明らかにした。(J. Biol Chem.に発表) 以上の結果より、核膜孔通過分子の核膜孔通過反応が核内移行と核外移行で異なる分子間相互作用による可能性を強く示唆する重要な知見が得られた。また、核膜孔通過の方向性を制御するなんらかの機構が存在することも示唆する結果である。
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