研究課題
特定領域研究
神経細胞死スイッチに関与する遺伝子群の網羅的スクリーニングを目指し、ショウジョウバエを用いて、『異所発現トラップ法』により細胞死実行遺伝子の同定を機能的且つ効率的に行った。このスクリーニングによって34個の神経細胞死誘導GS系統を同定した。この34個の神経細胞死誘導遺伝子のうち、2つの遺伝子がタンパク質の輸送に関与するチャネルを構成するサブユニットの一つであるSec61αをコードするものであった。ポリグルタミン病患者が保有する伸長型ポリグルタミンを細胞で発現させると、細胞内のプロテアソームの酵素活性が低下することが知られていたが、このような状況下では、ERADが機能せず不良品タンパク質が細胞内に蓄積すると考えられる。Sec61αは、分泌経路で合成される蛋白質の小胞体への移行と、ERADにおいて小胞体から細胞質への不良品タンパク質の輸送を担う重要なチャネルである。Sec61αをショウジョウバエ複眼や培養細胞で過剰発現すると不良品タンパク質が細胞質に逆輸送されて蓄積し細胞死が誘導されること、逆にSec61αの活性を遺伝学的に弱めることによりポリグルタミン病モデルにおいて細胞質に蓄積していた不良品タンパク質が減少し、晩発性の神経変性が回復することが明らかになった。さらにSec61蛋白質チャネルの構成サブユニットであるSec61βの発現量をおとしてもポリグルタミンによる晩発性の神経変性が回復することが明らかになった。
すべて 2004 その他
すべて 雑誌論文 (6件) 文献書誌 (6件)
J.Neurosci.Res. 79
ページ: 451-458
J.Biol.Chem. 279
ページ: 51647-51653
FEBS Lett. 568
ページ: 60-64
J.Neurosci.Res. 77
ページ: 653-661
Acta.Histochem.Cytochem. 37
ページ: 223-226
110003144383
J.Biochem. 136
ページ: 1-6
10016200490