研究課題/領域番号 |
15033242
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研究種目 |
特定領域研究
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
理工系
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
宮坂 博 大阪大学, 大学院・基礎工学研究科, 教授 (40182000)
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研究分担者 |
長澤 裕 大阪大学, 大学院・基礎工学研究科, 助教授 (50294161)
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研究期間 (年度) |
2003 – 2004
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研究課題ステータス |
完了 (2004年度)
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配分額 *注記 |
4,800千円 (直接経費: 4,800千円)
2004年度: 2,400千円 (直接経費: 2,400千円)
2003年度: 2,400千円 (直接経費: 2,400千円)
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キーワード | 電子移動 / フェムト秒分光 / ピコ秒分光 / 光電導 / 長寿命電荷分離状態 / 光電導性高分子 / 電荷輸送 / 時間分解分光 / ホール輸送 |
研究概要 |
光励起によって生成した電荷分離状態の再結合を抑制し長寿命化させることは、後続の諸過程における電荷の効率的利用のための必須条件である。このためには、電荷分離の後に電荷シフト反応を経由してアニオン-カチオンの対間距離を長距離化し、電荷再結合反応に対する電子的相互作用を減少させ結果的に小さな速度定数とする手法が一般的なstrategyと考えられている。側鎖に芳香族基を持つ高分子系は、光誘起電荷分離の後、側鎖間の電荷シフト反応を行う。したがって長いアニオン-カチオン対間距離を固定化することができれば、このような高分子系をbuilding blockとして長寿命電荷分離状態を作成することが可能となる。本研究では機能性界面・表面における長距離電荷輸送に関した最適化条件を獲得することを目的とし、高分子化合物における(1)素過程としての側鎖芳香族基間ホール移動過程の機構解明、(2)吸着状態における電荷分離状態のダイナミクスの測定を行った。これらの結果、(1)について、フェムト秒過渡吸収二色性の測定から、この迅速な電荷シフト過程のメカニズムとして、数ps領域で(a)3個以上の芳香族基への非局在化が起こり、その後(b)ホールシフト反応がサブナノ秒領域で進行することがわかった。この(a)の非局在化によって、実効的なアニオンーカチオンクーロン引力の低下、また媒体再配向エネルギーの減少がおこり、その後の時間域でのホールシフト反応を可能としているとの結論を得た。また吸着表面上での光誘起電子移動ダイナミクスに与える高分子鎖長効果を、ナノ秒レーザー分光によって測定し、吸着表面上での高分子のホール移動過程速度を決定した。その結果、吸着系においても中極性溶媒系と同程度である10^9/secの高速のホール移動速度を有することが判明した。これらの結果と数値計算に基づき、最適化のためのホールトラップ確率を提案した。
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