研究課題/領域番号 |
15034202
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研究種目 |
特定領域研究
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
理工系
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
舛本 泰章 筑波大学, 物理学系, 教授 (60111580)
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研究期間 (年度) |
2003
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研究課題ステータス |
完了 (2003年度)
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配分額 *注記 |
2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
2003年度: 2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
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キーワード | スピンエレクトロニクス / 量子ドット / スピンコヒーレンス / 量子ビート / ハンル効果 / g-因子 / GaAs / InAs |
研究概要 |
自己形成InP量子ドット、自己形成InAs量子ドットと歪み誘起GaAs量子ドットを対象とした量子ビートによるg-因子スペクトロスコピー、ハンル(Hanle)効果を用いた定常円偏光度測定および時間分解偏光分光測定を用いて量子ドット中のスピン緩和に関わるスピン依存のエネルギー微細構造やスピンの緩和時間と緩和機構を研究した。 歪み誘起GaAs量子ドットおよび自己形成InP量子ドットにおいて4種類の量子ビートを見出し、これを利用することにより、スピン依存のエネルギー微細構造が明らかになり精密なg-因子スペクトロスコピーが進展した。これから、歪み誘起GaAs量子ドット中の電子のg-因子は等方的で,0.17、正孔のg-因子([001]-成分)は0.34、励起子のg-因子([001]-成分)は0.51と求まった。また、InP量子ドット中の電子のg-因子は等方的で1.5と求まった。 2個以上電子をドープした自己形成InAs量子ドットで負の円偏光度を見出し、この原因として電子・正孔間の強い非等方的な交換相互作用を考えた。また自己形成InAs量子ドットにおいて分のオーダーの極めてゆっくりした核の偏極を観測した。 量子ドット中に閉じ込められた電子のスピンは、励起子のコヒーレンス時間に比べてはるかに長い兆候があり、室温まで長い緩和時間を持つ可能性がある。実際、InP量子ドット中の電子スピンの緩和時間を量子ビートで評価し、低温で1nsより長いこと、InAs量子ドット中の電子スピンの緩和時間をハンル効果で評価し、低温で100nsより長いことを見出した。
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