研究課題/領域番号 |
15034208
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研究種目 |
特定領域研究
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
理工系
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研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
南 不二雄 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 教授 (30200083)
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研究期間 (年度) |
2003
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研究課題ステータス |
完了 (2003年度)
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配分額 *注記 |
2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
2003年度: 2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
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キーワード | 量子ドット / スピン / シェル構造 / 微細構造 / GaAs / 交換相互作用 / 励起子 / 液滴エピタキシー |
研究概要 |
半導体量子ドットのエネルギー構造はシェル構造をとり、キャリアー密度の増加とともにエネルギーの低いシェルから徐々に埋まっていき、それに伴い新しい最低励起子線の数meV低エネルギー側に複数の発光線が観測される。この構造は電子・電子、正孔・正孔間の交換相互作用を反映した構造であると考えられている。 本研究では、液滴エピタキシー法で作成したGaAs/Al_<0.4>Ga_<0.6>As量子ドット(ドット径〜15nm、密度〜10^9cm^<-2>)からの微小領域(1μm以下)からの発光(μPL)を調べることにより、半導体量子ドットであるGaAs単一量子ドットにおいて電子準位、特に励起子準位の線幅が十分に狭いこと、電子構造はシェル構造を持つこと、および電子・電子、正孔・正孔間の交換相互作用を反映した微細構造があることを示めした。 励起光の強度が十分に弱い状況では、量子ドット内に注入される電子・正孔は平均として1個以下であるが、徐々に励起光を強くすると、ドット内部のキャリアーの数が2個存在する状況が許されることになる。この時の最低エネルギー状態はSシェルに励起子が2個占有する状態であり、多体効果によりエネルギー的に安定化した2励起子状態が形成される。この状態からの光放出は、安定化した2励起子状態から1励起子状態への光遷移とみなされるため、発光線は1励起子発光線から、安定化エネルギーの分だけ低エネルギー側へシフトすることとなる。さらに励起光を強くすると、低エネルギー側にいくつかのピークが観測された。これはPシェルの電子、正孔が占有した際にどのようなスピン配列で占有するかが、キャリアー問の交換相互作用を通してSシェル励起子の発光に影響することにより生じる多重構造である。この微細構造を詳しく解析することにより、1個の量子ドット内の電子スピン相関の詳細が解明できる。
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