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二官能性配位子としてのホスフォールの遷移金属錯体への応用

研究課題

研究課題/領域番号 15036202
研究種目

特定領域研究

配分区分補助金
審査区分 理工系
研究機関北海道大学

研究代表者

小笠原 正道  北海道大学, 触媒化学研究センター, 助教授 (70301231)

研究期間 (年度) 2003
研究課題ステータス 完了 (2003年度)
配分額 *注記
1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
2003年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
キーワードホスフォール / ホスファメタロセン / メタセシス / カルベン錯体 / ルイス塩基性 / ビニリデン
研究概要

これまでに、様々な1,1'-ジアリルメタロセンを基質として、Ru-カルベン触媒による閉環メタセシス反応により対応する架橋メタロセンが良好な収率で合成できることを報告してきた。この手法の2,2'-ジアリル-1,1'-ジホスファフェロセンへの応用を検討したところ、Ru-カルベン錯体には触媒活性が認められなかったが、Mo-カルベン錯体は良好な触媒作用を示した。Ru-カルベン触媒では、ホスフィンなどの配位性分子が触媒毒となることが知られており、ホスファフェロセンのルイス塩基性が同様の触媒毒作用を示したと考えられる。ジホスファフェロセン類にはmeso体、dl体の二種類のジアステレオマーが存在し得るが、この2つの立体異性体の分光学的手法による区別は困難である。架橋ジホスファフェロセンのmeso体では、2つのリン原子が重なる位置に相対配置が固定されるため、その^<31>P NMRシグナルの異常な高磁場シフトが発現することが見い出された。対応する非架橋ジホスファフェロセンにおいては、ホスフォリル-鉄間に自由回転が存在するため、この高磁場シフトは観察されない。
ホスファメタロセンのη^5-ホスフォリル基のリン原子には局在化した電子対が存在するため、これらの化合物はしばしば配位子として利用される。一方その反応性に関しては、Friedel-Crafts反応などの求電子置換反応を受けることが報告されているのみである。ここでは、ホスファルテノセンのリン原子がルテニウム中心と協奏的に作用して塩化アセチルのカルボニルの炭素-酸素二重結合を切断し、ビニリデン錯体が生じる新しい反応を見い出した。この架橋ビニリデン錯体は、対応する鉄錯体からは生じないことから、ルテニウムが重要な役割を果たしていることが予想される。

報告書

(1件)
  • 2003 実績報告書
  • 研究成果

    (5件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (5件)

  • [文献書誌] 小笠原 正道: "Palladium-Catalyzed Asymmetric Synthesis of Axially Chiral (Allenylmethyl)silanes and Chirality Transfer to Stereogenic Carbon Centers in S_<E'> Reactions"Organic Letters. 5. 217 (2003)

    • 関連する報告書
      2003 実績報告書
  • [文献書誌] 小笠原 正道: "Diphospha[4]ferrocenophanes by Molybdenum-Catalyzed Ring-Closing Metathesis"Organometallics. 22. 1174 (2003)

    • 関連する報告書
      2003 実績報告書
  • [文献書誌] 吉田 和弘: "Generation of Chiral Boron Enolates by Rhodium-Catalyzed Asymmetric 1,4-Addition of 9-Aryl-9-borabicyclo[3.3.1]nonanes (B-Ar-9BBN) to α,β-Unsaturated Ketones"Journal of Organic Chemistry. 68. 1901 (2003)

    • 関連する報告書
      2003 実績報告書
  • [文献書誌] 小笠原 正道: "Induction of Atropisomeric Chirality on Heavily Substituted Phosphametallocenes"Organometallics. 22. 1783 (2003)

    • 関連する報告書
      2003 実績報告書
  • [文献書誌] 高橋 保: "Titanocene-Catalyzed Regioselective syn-Hydrosilation of Alkynes"Organic Letters. 5. 3479 (2003)

    • 関連する報告書
      2003 実績報告書

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公開日: 2003-04-01   更新日: 2018-03-28  

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