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不斉加水分解を志向した含水系反応場における錯体制御

研究課題

研究課題/領域番号 15036203
研究種目

特定領域研究

配分区分補助金
審査区分 理工系
研究機関北海道大学

研究代表者

徳永 信  北海道大学, 触媒化学研究センター, 助教授 (40301767)

研究分担者 大洞 康嗣  北海道大学, 触媒化学研究センター, 助手 (50312418)
研究期間 (年度) 2003
研究課題ステータス 完了 (2003年度)
配分額 *注記
1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
2003年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
キーワード有機合成 / 金属錯体触媒 / 加水分解反応 / 不斉合成 / エステル / エーテル
研究概要

水は安価で安全な物質であり、我々はこれを反応剤として積極的に利用する研究を進めている。対象となるのは水和反応や加水分解反応であるが、これらは古典的な反応でありながら未開拓の部分も多く残されている。例えば加水分解反応は工業的にも実験室的にも重要な反応であるが、立体選択的加水分解法に使用できる触媒は生体触媒に限定されている。本研究では、生体触媒による加水分解反応や、従来の人工酵素による反応を実用性で上回る新手法を開発することを目標に金属錯体触媒の開発を進めた。具体的には、従来からよく用いられているニトロフェノール類のエステルは使わず、さらにpH調整用緩衝液を用いないことを前提にした。
この方針のもと検討を行った結果、ビニルエステルおよびビニルエーテル類が各種の金属錯体により速やかに加水分解されることを見出した。安息香酸ビニルおよびベンジルビニルエーテルの加水分解においてPd^<II>錯体、特にPdCl_2(CH_3CN)_2が最も高い活性をしめした。触媒回転数は最高で5000回に達する。PdCl_2(PPh_3)_2やPd(OAc)_2を用いた場合は反応性が若干低下し、また0価のPd錯体では活性が見られなかった。PtやHgの錯体でもPdと同じような活性が観測され、さらに他の金属、Co,Cu,Ru,Scなどでも若干低いながらも活性が観測された。
各種の金属でビニルエステルやビニルエーテルの加水分解反応が進行することが分かったので、次にこれらの金属に各種の不斉配位子を作用させ、不斉加水分解を試みた。まず、最も活性の高かった2価パラジウム錯体を用いて基質、配位子、触媒前駆体を変え、幅広く検討したが、選択性(両鏡像体の反応速度比;k_<rel>)はおおむね2以下となり、良好な結果は得られなかった。引き続き各種の基質と触媒の組み合わせを検討した結果、コバルトサレン触媒がビニルエーテル類の不斉加水分解反応において、比較的高い選択性を示すことがわかった。これまで最高で、k_<rel>=10.0が観測され、62% convnで90%eeの未反応原料が得られている。

報告書

(1件)
  • 2003 実績報告書
  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] Aoyama, H., Tokunaga, M., 他: "Hydrolysis of Alkenyl Esters and Ethers Catalyzed by Metal Complexes"Organic Letters. 6・4. 509-512 (2004)

    • 関連する報告書
      2003 実績報告書
  • [文献書誌] 徳永 信: "エステル化における最近の進展"オルガノメタリックニュース. 57・2. 57 (2003)

    • 関連する報告書
      2003 実績報告書

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公開日: 2003-04-01   更新日: 2018-03-28  

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