研究課題/領域番号 |
15036210
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研究種目 |
特定領域研究
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
理工系
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
寺田 眞浩 東北大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (50217428)
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研究期間 (年度) |
2003
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研究課題ステータス |
完了 (2003年度)
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配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
2003年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
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キーワード | 不斉触媒 / 金属錯体 / 非対称化 / 不斉合成 / 触媒反応 / 光学活性 / 配位子 / 酸化 |
研究概要 |
不斉金属錯体は光学活性化合物の触媒的不斉合成において中心的な役割を果たし、これを如何に開発するかが最大の関心事であったと言える。一方、不斉金属錯体の調製法に焦点をあてると、そのほとんどは光学活性な不斉配位子とアキラルな金属錯体によって構築するという画一的な手法がいまだにとられている。その結果、不斉触媒反応を指向した不斉金属錯体の開発研究は新規な不斉配位子の設計に集中しているのが現状である。その一方で、触媒機能を備えた不斉金属錯体そのものの不斉合成に着目した研究はほとんどなされていない。そこで本申請研究は不斉触媒として機能しうる不斉金属錯体それ自体を触媒量の光学活性分子によって不斉合成することを目的とする。不斉金属錯体それ自体の不斉合成はこれまでに多くの報告がなされている。しかし、その多くは金属錯体を不斉合成することが主たるテーマであり、得られた不斉金属錯体を不斉触媒反応にまで展開した例はまれである。有機化合物の触媒的不斉合成が現実のものとなった今、不斉金属錯体の触媒的不斉合成は決して不可能ではないと考える。本研究の独創性はこうした有機化合物の触媒的不斉合成法、特に不斉非対称化による不斉合成法の成果を踏まえ、これまで全く関心の払われてこなかった不斉金属錯体そのものの触媒的不斉合成法を開発しようとするところにある。平成15年度は不斉金属錯体の触媒的不斉合成に焦点を絞り以下の2項目について並行して検討を進めた。 (1)不斉金属錯体上の中心金属の中心不斉を制御:あらかじめ調製したσ対称性の錯体を光学活性分子によって非対称な錯体と誘導し不斉金属錯体とした。ここでは酸化反応という有機合成的な官能基変換によって配位子を非対称化し、低いながらも不斉誘起に成功した。 (2)金属と錯体形成する際に生じる面不斉の制御:金属錯体とアキラルな配位子を配位させる際、面不斉と中心金属周りの不斉点を光学活性分子を用いて一挙に構築、制御を試みた。現在のところ満足の行く結果は得られていないが今後の検討次第で成果が得られるものと期待している。
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