研究課題/領域番号 |
15036242
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研究種目 |
特定領域研究
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
理工系
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
小江 誠司 大阪大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (60290904)
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研究期間 (年度) |
2003
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研究課題ステータス |
完了 (2003年度)
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配分額 *注記 |
1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
2003年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
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キーワード | 高分子合成 / 環境対応 / 触媒・化学プロセス / 合成化学 / 錯体化学 / 水素 / 酵素反応 / 反応制御 |
研究概要 |
21世紀の化学に要求される研究課題の一つとして、有害かつ枯渇性資源内来の有機溶媒を用いない「環境調和型の水中物質・エネルギー変換反応の開発」が考えられる。本研究の目的は「pH変化によりその触媒能力を制御できる遷移金属ヒドリド錯体触媒を設計・合成し、水という反応場で触媒反応をpHにより制御する環境調和型ポリマー合成法の開発」である。なぜなら,「遷移金属アクア錯体触媒を用いたpH選択的水中ヒドリド重合」は将来的に様々な環境対応技術に応用可能であり、「新技術の創成」に結びつくからである。しかし、通常の遷移金属錯体・有機金属錯体は酸及びアルカリに不安定なものが多く、水溶液中で有機金属アクア錯体を触媒前駆体とする触媒反応はほとんど知られていない。 本研究ではこれまでに、水中(pH2〜5)でルテニウムアクア錯体とギ酸イオンの反応からβ脱離の中間体であるギ酸錯体の単離に成功した。そして、水中(pH5〜12)でとギ酸イオンの反応からルテニウムヒドリド錯体の単離に成功した。さらに、ルテニウムヒドリド錯体を触媒活性種とするスチレンのpH選択的水中ヒドリド重合に成功した。また、本研究ではESI-MSによりpH選択的水中ヒドリド重合の反応中間体(リビングポリマー中間体)の直接観察に成功した。これらの成果は現在アメリカ化学会の専門誌であるOrganometallicsに投稿中である。以上の研究成果は平成15年10月9〜15日にXVth FECHEM Conference(スイス、チューリッヒ)の国際会議で招待講演を行った。
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