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ホスフィンボランの遷移金属錯体:合成と機能開発

研究課題

研究課題/領域番号 15036257
研究種目

特定領域研究

配分区分補助金
審査区分 理工系
研究機関大阪市立大学

研究代表者

中沢 浩  大阪市立大学, 大学院・理学研究科, 教授 (00172297)

研究期間 (年度) 2003
研究課題ステータス 完了 (2003年度)
配分額 *注記
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
2003年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
キーワードホスファイトボリル錯体 / 3中心2電子結合 / ホスフィドボラン錯体 / ホスフィド錯体
研究概要

(C_5R_5)(CO)_3MoMe(R=Me, H)とBH_3・P(NMeCH_2)_2(OMe)を含むヘキサン溶液に光照射を行うと、ホスファイトボリル錯体,(C_5R_5)(CO)_3MoBH_2・P(NMeCH_2)_2(OMe)が生成することを見いだした。Cp環上のMe基の数が多い程、ホスファイトボリル錯体の収率は向上し、安定性も増加した。X線結晶構造解析の結果、Mo-B結合距離はこれまでに報告されている遷移金属ボリル錯体(L_nM-BR_2)のM-B結合と比較して長くなっていることが分かった。これはホスファイトボリル錯体ではホウ素にリン化合物が配位しているため、金属からホウ素へのπ-back donationが減少したためと考えられる。
Cp^*CO)_3MoMeとの反応を^1H NMRで追跡したところ、Mo-H-B 3中心2電子結合をもつ錯体およびCp^*(CO)_3MoHの生成が確認された。そこで、反応機構を次のように考えた。まず出発錯体であるメチル錯体に光照射を行うと、1つのカルボニル配位子が脱離し、16電子錯体が生成する。それにホスファイトボランのB-H結合が配位し、その後このB-H結合がMoに酸化的付加し、さらにMe基とH基が還元的脱離してホスファイトボリル錯体が生成し、またMe基とBH_2・P(NMeCH_2)_2(OMe)基が還元的脱離するとヒドリド錆体が生成する。MeとHの還元的脱離の方が起こりやすいので、ホスファイトボリル錯体が主生成物となったものと思われる。
Cp^*(CO)_3MoMeとBH_3・P(NMeCH_2)_2Hとの反応では、少量のCp^*(CO)_3MoBH_2・P(NMeCH_2)_2Hに加えて、ホスフィドボラン錯体Cp^*(CO)_3MoP(NMeCH_2)_2BH_3、およびホスフィド錯体Cp^*(CO)_3MoP(NMeCH_2)_2が生成することが分かった。これより、B-H結合よりもP-H結合の方が反応性が高いことが示唆された。

報告書

(1件)
  • 2003 実績報告書
  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] T.Ishiyama: "Formation of Novel Phosphide Dichloride Zr Complex from Trichloride Zr Complex with a Secondary Phosphine-pendant Cyclopentadienyl Ligand : Structure of [(h^5-C_5H_4(CH_2)_2PMes-kP)ZeCl_2(N-methylimidazole)_2](Mes=2,4,6-trimethyl phenyl)"Chemistry Letters. 32・1. 70-71 (2003)

    • 関連する報告書
      2003 実績報告書
  • [文献書誌] T.Ishiyama: "Synthesis and Characterization of Some Zirconium and Hafnium Complexes with a Phosphide-Pendant Cyclopentadienyl Ligand"Organometallics. 22・5. 1096-1105 (2003)

    • 関連する報告書
      2003 実績報告書
  • [文献書誌] H.Nakazawa: "C-C Bond Cleavage of Acetonitrile by a Carbonyl Iron Complex with a Silyl Ligand"Organometallics. 23・1. 117-126 (2004)

    • 関連する報告書
      2003 実績報告書
  • [文献書誌] K.Fujisawa: "Transition Metal Complexes Bearing a Phosphenium Ligand"Inorganic Chemistry Communications. 7. 330-332 (2004)

    • 関連する報告書
      2003 実績報告書
  • [文献書誌] H.Nakazawa: "Transition Metal Complexes Bearing a Phosphenium Ligand"Advances in Organometallic Chemistry. 50. 107-143 (2004)

    • 関連する報告書
      2003 実績報告書
  • [文献書誌] 中沢 浩: "化学便覧 基礎編 改訂5版"日本化学会編. 946 (2004)

    • 関連する報告書
      2003 実績報告書

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公開日: 2003-04-01   更新日: 2018-03-28  

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