研究課題/領域番号 |
15037210
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研究種目 |
特定領域研究
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
理工系
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研究機関 | 関西学院大学 |
研究代表者 |
楠瀬 正昭 関西学院大学, 理工学部, 教授 (40211883)
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研究期間 (年度) |
2003 – 2004
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研究課題ステータス |
完了 (2004年度)
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配分額 *注記 |
2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
2004年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
2003年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
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キーワード | ブラックホール / ジェット / X線 / ガンマ線 / コンプトン散乱 / 非熱的粒子 / 宇宙物理学 / X線天文学 / ガンマ線天文学 / 理論天文学 / 宇宙ジェット / ブレーザー / 相対論 |
研究概要 |
ブレーザーは活動的銀河中心核の一種であり、短時間(数時間から数日程度)でX線やガンマ線の強度が大きく変動することや可視光スペクトルにラインが見られないことで知られている。この天体の中にはガンマ線のピークがGeV領域にあるものが知られている(例えば3C279など)。このガンマ線放射機構として考えられているのは相対論的な速度で観測者の方向に運動するジェットからの放射である。ジェット内には相対論的な非熱的分布にしたがう電子(陽電子)が存在しており、ジェットの外部からくる低エネルギー光子を逆コンプトン散乱によってガンマ線に変えると考えられている。この研究では、ジェット内での逆コンプトン散乱がKlein-Nishina領域で生じた場合に放射スペクトルと電子のエネルギースペクトルがどのようになるかを定量的に調べた。その結果、Klein-Nishina領域で主な散乱がおこるため、トムソン領域での散乱に比べて散乱に寄与する電子の割合は減少し、散乱に寄与しなかった電子が電子のエネルギースペクトル上で高エネルギー側のピークとして生じることがわかった。また散乱量が減少するにもかかわらず、GeV領域に強い放射が生じることを見つけた。GeVブレーザーでは外部からくる低エネルギー光子が紫外線領域にあると考えられるが、相対論的ジェットの電子にとってはドップラー効果によって更に高エネルギーを持つように見える。そのため逆コンプトン散乱がKlein-Nishina領域で起こりやすくなるので、ジェットからの放射を観測することによってジェット内の電子スペクトルを推定する場合、この研究で得られた効果を考慮する必要があることがわかった。
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