研究課題/領域番号 |
15039209
|
研究種目 |
特定領域研究
|
配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
生物系
|
研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
箕口 滋 東京大学, 医科学研究所, 助手 (60322757)
|
研究分担者 |
伊庭 英夫 東京大学, 医科学研究所, 教授 (60111449)
|
研究期間 (年度) |
2003 – 2004
|
研究課題ステータス |
完了 (2004年度)
|
配分額 *注記 |
4,400千円 (直接経費: 4,400千円)
2004年度: 2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
2003年度: 2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
|
キーワード | 多能性幹細胞 / ES細胞 / MSCV / MLV / レトロウイルスベクター / DNAメチル化 / 自己複製 / 原始外胚葉 / 細胞分化 / クロマチン / SWI / SNF複合体 / Brm遺伝子 / BRG1遺伝子 |
研究概要 |
本研究では多能性や可塑性など幹細胞の柔軟な性質を支える分子基盤を解明するために、そこにおける遺伝子制御の特異性を明らかにすることを目指している。ここでは特にマウス白血病ウイルス由来のMLVベクターがマウスES細胞やEC細胞など未分化な幹細胞において不活性化される現象に着目してその分子機構の解明を試みている。MLVベクターを改変したMSCVベクターはES細胞において発現が許容されるが、長期間培養中に漸次発現が失われることが知られている。本年度は、このMSCVにおける発現抑制機構の詳細な解析を行い、レトロウイルスベクターの幹細胞におけるエピジェネティカルな制御について探究した。Cell Sorterを用いた発現解析に依り、ES細胞におけるMSCVの発現抑制は、発現強度が徐々に低下することによって引き起こされているのではなく、All-or-Noneに発現を突然消失していることを確認した。次に、発現抑制の原因となる分子機構の探索を行った。Bisulfite Sequence法やGenomic Southern法によってProvirus DNAのCpGメチル化が発現の抑制と極めて高い相関があることを見い出した。また、Provirus領域のヒストン修飾の関与も検討した。ヒストンH3・H4のリジン及びアルギニン残基特異的アセチル化及びメチル化修飾抗体を数多く用いてProvirusのLTR領域のクロマチン免疫沈降実験を行ったが、試みた全ての抗体について発現抑制との間に強い関連性を見い出すことは出来なかった。また、重感染実験を行い同一細胞内の異なるprovirusの発現抑制は互いに独立であることを見い出した。このことからpromoter-specificな転写抑制がMSCVの幹細胞における発現抑制の原因であることが示唆された。以上の結果から本年度は、Provirus DNAのメチル化がMSCVの発現抑制に中心的な役割を果たしていることを示すことが出来たと考えられる。
|