研究課題/領域番号 |
15039217
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研究種目 |
特定領域研究
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
生物系
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
篠原 隆司 京都大学, 医学研究科, 教授 (30322770)
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研究期間 (年度) |
2003 – 2004
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研究課題ステータス |
完了 (2004年度)
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配分額 *注記 |
4,800千円 (直接経費: 4,800千円)
2004年度: 2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
2003年度: 2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
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キーワード | 精子形成 / 幹細胞 / 移植 / ニッシェ / 不妊 / セルトリ細胞 / 精子 / 生殖細胞 |
研究概要 |
哺乳類精巣の精子幹細胞は成体で無限に増殖し、減数分裂をへて精子形成にいたる源となる細胞である。しかしながら、その重要性にも関わらず、この細胞がどのような形質を持ち、どうやって自己複製という生物学的にユニークな特徴を獲得・維持するのに至ったかは知られていない。本研究では、この精子幹細胞がどのように増殖制御されているかを解明するために幹細胞の維持に必須であると考えられているニッシェの移植技術を開発することを目的としている。 昨年度、我々はマウスの精子幹細胞のニッシェの移植に成功し、ニッシェを構成するセルトリ細胞に欠陥があるために不妊になっているマウスの精巣でニッシェを再構成することで精子形成を再生することに成功した。本年度ではこの実験系を更に発展させて、セルトリ細胞に欠陥がある不妊マウス(Steelマウス)の不妊治療に成功した。 セルトリ細胞から分泌されるSteel因子の欠損のために不妊になっているマウスの精巣へ生殖細胞側の異常のために不妊になっているWマウスのセルトリ細胞を移植したところ、精子形成が再開し、そこで得られた精子形成細胞を用いて顕微受精を行うと、Steelマウス由来の遺伝子を持つ子孫を得ることが出来た。またここで得られた子孫は正常に交配することが可能であった。これらの結果は、セルトリ細胞の異常による不妊症の治療にはセルトリ細胞の移植が有効であることを示すものであり、今後ヒトにおいても応用の可能性を検討するべきものである。
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