研究課題/領域番号 |
15039222
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研究種目 |
特定領域研究
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配分区分 | 補助金 |
審査区分 |
生物系
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
山崎 義光 大阪大学, 医学系研究科, 助教授 (40201834)
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研究分担者 |
伊藤 孝仁 大阪大学, 医学系研究科, 助手 (60362703)
松久 宗英 大阪大学, 医学系研究科, 助手 (60362737)
馬屋原 豊 大阪大学, 医学部附属病院, 医員(臨床研究)
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研究期間 (年度) |
2003 – 2004
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研究課題ステータス |
完了 (2004年度)
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配分額 *注記 |
3,200千円 (直接経費: 3,200千円)
2004年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
2003年度: 2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
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キーワード | 糖尿病 / 遺伝子治療 / 再生医療 / PDX-1 / Ptfla / 分化転換 / β細胞 / 膵管細胞 / トランスジェニックマウス / インターフェロン / インスリン / 骨髄 |
研究概要 |
転写因子PDX-1は膵臓の初期発生に不可欠であるばかりでなく、胎生後期以降は主に膵β細胞に限局し、その機能維持に重要な役割を担っている。我々は以前Cre/loxPシステムにより異所性に、かつ恒常的にPDX-1を発現誘導できる遺伝子改変マウス(CAG-PDX1マウス)を作製した。本年度はこのマウスを膵前駆細胞においてCre酵素を発現するマウス(Ptfla-Creマウス)と交配し、膵前駆細胞における恒常的PDX-1発現誘導が膵分化プログラムに与える影響について検討した。PtflaCre; CAG-PDX1マウスの膵臓では腺房細胞、膵管細胞等全てのlineageにPDX-1が発現しており、生後2週頃より外分泌細胞の著しい低形成をきたし、膵重量は約60%低下していた。一方外分泌領域には多くの膵管様構造を呈する細胞が出現し、これらの細胞は膵管細胞のマーカーであるサイトケラチンを発現していた。次にCAG-PDX1マウスを膵外分泌細胞のlineageにのみCre酵素を発現するElastase-Creマウスと交配したところ、Elastase-Cre; CAG-PDX1マウスの膵臓外分泌領域には前述と同様の膵管様細胞が認められた。これらの結果は異所性に誘導されたPDX-1が膵管の過形成を誘導するのではなく、膵外分泌細胞から膵管への分化転換を誘導することを示している。またPtfla-Cre; CAG-PDX1マウスのインスリン含量は野生型マウスに比し約30%増加しており、組織学的検討においてβ細胞の過形成が観察された。以上の結果から膵外分泌細胞の分化・成熟にはPDX-1の発現低下が不可欠であり、膵前駆細胞において恒常的に発現したPDX-1がacinoductal transdifferentiationを誘導することが示され、そしてPDX-1の恒常的な発現がβ細胞の発生・分化により有利な環境を提供する可能性が示唆された。
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