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上皮性癌細胞の産生するムチンによる免疫担当細胞への作用機構の解析

研究課題

研究課題/領域番号 15040222
研究種目

特定領域研究

配分区分補助金
審査区分 生物系
研究機関京都産業大学

研究代表者

中田 博  京都産業大学, 工学部, 教授 (90113141)

研究期間 (年度) 2003 – 2004
研究課題ステータス 完了 (2004年度)
配分額 *注記
3,200千円 (直接経費: 3,200千円)
2004年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
2003年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
キーワードムチン / マクロファージ / スカベンジャーリセプター / COX2 / PGE2 / 血管新生
研究概要

我々は、上皮性癌細胞の産生するムチンが単球/マクロファージ上に発現するスカベンジャーリセプター(SCR)のリガンドの1つとして機能しうることを示してきた。すなわち、癌組織の微小環境において癌細胞より分泌されたムチンが、浸潤したマクロファージ上のSCRに結合し、同細胞を活性化する結果、シクロオキシゲナーゼ2(COX2)が誘導され、PGE2の産生が亢進する。さらに、PGE2の受容体であるEP2受容体を介してオートクライン/パラクラインに作用し、さらなるPGE2の産生やVEGFの産生を促進する。このムチンを起点としたカスケードをより明確にするために、マウス乳癌細胞株TA3-Haと非産生株TA3-Stを用いて検討した。2つの細胞株のin vitroにおける増殖速度はほとんど同じであったが、マウス背皮下においては、TA3-Haの方が著しく早く増殖した。各々の腫瘍組織でのムチン、COX2の発現量をウエスタンブロッティングやRT-PCRで比較するとともに組織化学的手法でも検討した。TA3-Haの腫瘍組織において、ムチンの発現、COX2の誘導が認められた。組織化学的には、浸潤したマクロファージにCOX2の誘導が観察されるとともに、血管内皮細胞のマーカーであるCD31の発現もTA3-Haの腫瘍組織で顕著に認められた。また、血管新生に関与するVEGFやMMP-2 mRNAの発現も、TA3-Haにおいて有意に高いことがわかった。さらに、TA3-Ha細胞に可溶型SCR遺伝子を導入すると、皮下腫瘍における増殖が著しく低下するとともに、遺伝子非導入細胞の増殖自体にも影響することがわかった。これらの結果は、ムチンをリガンドとするSCRを介した情報伝達が、腫瘍組織形成に大きな影響を与えていることを示している。

報告書

(2件)
  • 2004 実績報告書
  • 2003 実績報告書
  • 研究成果

    (5件)

すべて 2004 その他

すべて 雑誌論文 (1件) 図書 (2件) 文献書誌 (2件)

  • [雑誌論文] Heparan sulphate proteoglycans interact with Neurocan and promote neurite outgrowth from cerebellar granule cells2004

    • 著者名/発表者名
      K.Akita et al.
    • 雑誌名

      Biochem J. 383

      ページ: 129-138

    • 関連する報告書
      2004 実績報告書
  • [図書] 生化学「上皮性癌細胞の産生するムチンの特性と腫瘍組織における生物学的意義」

    • 著者名/発表者名
      中田 博
    • 出版者
      日本生化学会(印刷中)
    • 関連する報告書
      2004 実績報告書
  • [図書] 遺伝子医学「上皮性癌細胞の産生するムチンの特性と機能」

    • 著者名/発表者名
      中田 博
    • 出版者
      メディカル・ドゥ(印刷中)
    • 関連する報告書
      2004 実績報告書
  • [文献書誌] N.Horiguchi et al.: "Galectin-1 induces cell adhesion to the extracellular matrix and apoptosis of non-adherent human colon cancer Colo201 cells"J.Biochem. 134. 869-874 (2003)

    • 関連する報告書
      2003 実績報告書
  • [文献書誌] H.Sakuraba et al.: "Structural and immunocytochemical studies on α-N-acetyl-galactosaminidase deficiency (Schindler/Kanzaki disease)"J.Hum.Genet.. 49. 1-8 (2004)

    • 関連する報告書
      2003 実績報告書

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公開日: 2003-04-01   更新日: 2018-03-28  

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