研究分担者 |
高橋 浩二 富山大学, 人文学部, 助教授 (10322108)
清水 正明 富山大学, 理工学研究部(理学), 教授 (50162714)
中村 俊夫 名古屋大学, 年代測定総合研究センター, 教授 (10135387)
南 雅代 名古屋大学, 年代測定総合研究センター, 助教授 (90324392)
小田 寛貴 名古屋大学, 年代測定総合研究センター, 助手 (30293690)
吉原 新 富山大学, 理学部, 助手
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配分額 *注記 |
56,100千円 (直接経費: 56,100千円)
2006年度: 12,300千円 (直接経費: 12,300千円)
2005年度: 14,900千円 (直接経費: 14,900千円)
2004年度: 14,700千円 (直接経費: 14,700千円)
2003年度: 14,200千円 (直接経費: 14,200千円)
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研究概要 |
本計画班では,遺跡探査,磁気物性と14C年代法の研究を行っている.特定領域研究において年代は基本課題である.考古地磁気研究として研究が進んでいない北海道で,対雁遺跡,厚真町モイ遺跡,斜里町ウトロ遺跡等で年代推定を行った.また珠洲市粟津小学校遺跡竈跡,能都町珠洲焼き窯,滋賀県瀬田廃寺遺跡等での調査を行った.更に臼杵先生班と共同でロシア・ウラジオストック近郊の東夏代(または金代)と推測される城郭遺跡の調査を開始し,本年度は暖炉跡焼土の研究を進めている.また地震液状化に伴う噴砂の磁化から遺跡に及んだ地震災害の年代と変形を検討できることを示し,高岡市石塚遺跡等で成果を得た.青森県十三湊遺跡では調査例の少ない青森県地磁気年代推定に成功し,また砂浜に由来する飛砂堆積物で埋まった前浜遺跡の環境変動を探る新たな調査法を試みて成果を得た. 14C年代測定法では広範囲の資料での研究を実施し,編年研究では以下の考古資料について成果を得た.愛知県陶磁資料館敷地内南山8号窯,石川県飯川谷製鉄遺跡・能登町行延窯跡遺跡,河ヶ谷窯跡遺跡,滋賀県瀬田廃寺,中国・韓国の建築部材,北海道の擦文時代資料,奥州平泉藤原3代関連資料,十三湊関連資料,草戸千軒資料,大津市石山寺の蔵王権現塑像,飯田市美術博物館蔵の聖徳太子絵伝,三重県甲賀市信楽町黄瀬ハンシ窯跡など. その他の成果として,(1)湖沼堆積物による環境変遷史:宇治市巨椋池埋め立て地試料の年代研究,(2)鎌倉由比ヶ浜南遺跡出土の刀傷のある人骨による鎌倉幕府滅亡時の年代調査,(3)擦文時代からアイヌ文化への移行期における生育期間の短い植物資料の研究から擦文時代終焉期を11〜13世紀初頭であると示した,(4)十三湊遺跡福島城跡の城門・柵の杭列木柱:古代か中世か議論されていたが,14C年代は14世紀初め〜15世紀初めと得られ,中世の可能性が極めて高いと結論できた.
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