配分額 *注記 |
35,100千円 (直接経費: 35,100千円)
2006年度: 8,500千円 (直接経費: 8,500千円)
2005年度: 8,900千円 (直接経費: 8,900千円)
2004年度: 9,000千円 (直接経費: 9,000千円)
2003年度: 8,700千円 (直接経費: 8,700千円)
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研究概要 |
貿易陶瓷器を資料として,わが国中世における唐物受容の実態を究明しようと試み,18年度は以下の調査と報告書の作成を行なった。 1.日本出土の青花瓷器の資料集成:元青花瓷器は,景徳鎮窯で焼造された生産量が極めて少なく,他の中国陶瓷器に比較して,希少性の特異な遺物であるために,かえって,受容階層の分析,流通経路の解明のために,有力な考古資料の役割をもっている。全国35遺跡から出土している元青花瓷器のすべてを,実測しなおし,写真撮影および調書の作成に取り組み,ほぼ95%は終了した。19年度にこれをまとめて報告書を作成する。 2.陶瓷器の化学分析によって産地同定および年代測定の可能性を探る試み:中国窯跡等採集の陶瓷器破片を,東京学芸大学および富山大学と共同して,分析を続行している。 3.景徳鎮窯焼造の元青花瓷器の調査:特別展示のために,景徳鎮陶瓷館に,江西省内から集められた機会を利用し調査を行う。 4.台湾・膨湖島出土の唐代越州窯青瓷の調査:台湾出土の中国陶瓷器は極端に少ない中で,例外的な存在である膨湖島出土の越州窯青瓷を調査。 5.今帰仁城出土の青花瓷器の調査:古琉球の北山の中核であった今帰仁城出土について,同教育委員会と共同して,元青花瓷器の実測・撮影・調書作成を実施し,その成果は,報告書としてすでに公刊した。 6.沖縄県久米島町ナカノ浜で確認された海底遺跡の調査の最終確認作業を実施。石垣島名蔵シタダル遺跡採集陶瓷器の調査をおこなう。 7.南西諸島出土陶瓷器に関して,鹿児島県大島郡の宇検村倉木崎海底遺跡との比較検討をおこなう。
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