配分額 *注記 |
66,100千円 (直接経費: 66,100千円)
2007年度: 2,900千円 (直接経費: 2,900千円)
2006年度: 3,300千円 (直接経費: 3,300千円)
2005年度: 12,300千円 (直接経費: 12,300千円)
2004年度: 17,000千円 (直接経費: 17,000千円)
2003年度: 30,600千円 (直接経費: 30,600千円)
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研究概要 |
世界で初めてとなる,超高感度10T磁場下回折装置と磁場中散漫散乱カメラを用いて,磁場下で量子ホール効果示す低次元物質η-Mo4011のX線散漫散乱写真を撮影した。6Kの極低温下では,二種類の電荷密度波転移の内,比較的振幅の大きなCDW1形成に伴う衛星反射だけではなく,特に微弱なCDW2形成に伴う衛星反射を観測する事に成功した。同一の写真に10ヶ以上の反射の撮影に成功しており,これは低温用X線カメラとしても世界最高性能であることを示している。更に8T以上の強磁場でCDW2の衛星反射位置が一次元方向b*成分に大きく変化することを観測した。この磁場領域では磁気輸送や磁場下光学特性にも異常があらわれることと考えあわせると,磁場による電子状態の変化が引き起こされていると考えられる。この装置は低次元分子性導体のような,様々な波数,つまり予測不能な波数の変調構造が現れ,それが電子状態に大きな影響を及ぼす系の構造科学研究にとって不可欠である。更に,EuO. 6SrO. 4MnO3の絶縁体-金属転移に関連し,同じく世界初となる高感度磁場中回転カメラ用いて磁場中冷却の金属相では,磁場なし冷却の絶縁相とくらべ,格子が明瞭に変化していることを観測した。つまり,磁場により格子の歪みが少ない金属相が安定となることを示した。これはこの系の物性が基本的に二重交換相互作用に支配されていることを示している。極低温で2種類の電荷秩序が競合するθ-(BEDT-TTF)2CsZn(SCN)4では,高電場下で巨大な非線形伝導やサイリスタ動作と関連し,3倍の電荷変調は変化しないが,2倍の電荷変調が減少すること,さらにその電荷変調の消長に格子定数の変化が同期していることを見いだした。
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