配分額 *注記 |
74,800千円 (直接経費: 74,800千円)
2007年度: 10,200千円 (直接経費: 10,200千円)
2006年度: 15,400千円 (直接経費: 15,400千円)
2005年度: 16,000千円 (直接経費: 16,000千円)
2004年度: 16,700千円 (直接経費: 16,700千円)
2003年度: 16,500千円 (直接経費: 16,500千円)
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研究概要 |
物理現象から応用における基本となるマイクロプラズマの生成方法として質量制限型方式を提案した.物質の三種類の状態である固体・液体・気体いずれも微小な寸法形状として,電力を高効率で注入し大気中で放電によりプラズマを生成するものである.従来は気体に限定されていたプラズマとなる物質の範囲の拡大し,マイクロプラズマで初めて可能となったものである.固体では,直径100μmの球形の銅微粒子をパルス電力で放電させた.液体では,エタノールを液滴あるいはフィラメント状にしてパルス電力により放電させた.液体は静電気力により円錐状に引き出すことができテイラーコーンとして知られているが,液体フィラメント放電への適用を提案・実証した.これら二つの場合では,固体・液体の状態から温度上昇・溶融・気化・電離という複雑な放電過程を経る.気体では,内径200〜300μmのステンレス製ノズル電極から,ヘリウムあるいはアルゴンの微細ガス流を供給し,直流電力により大気中でグロー放電を安定に得た.微細ガス流を用いると,マイクロプラズマを安定かつ円筒状に生成できるとともに,同じ電極構造でコロナ・グロー・アークのすべての放電モードが得られる特長がある.これは放電物理の研究および放電応用に対して有用である.二つのノズル電極から供給する微細ガス流を交差させると,ガス流に沿って直流放電が生じた。この結果,マイクロプラズマが微小な電極間ではなく,その外部の空間に自由に生成できることになり,応用への大きな展望を開くことができた.パルス・高周波電力によるプラズマ生成も検討し,大電力注入やDLC薄膜の形成を実現した.微細ガス流と導電性のある液体電極を組み合わせてグロー放電を得る,マイクロプラズマの新しい生成法を提案・実証した.プラズマと液体界面における現象を積極的に利用して,有用化学反応,結晶成長などプラズマ化学・材料科学への多様な応用を提案した.
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